モンスター社員とは?生まれる背景・特徴・周囲に与える影響・対処法

モンスター社員とは

モンスター社員とは、同僚や部下に過剰に攻撃したり、上司の指示に従わないなど会社にとって不利益を与えている行動を取る社員のことを表します。

今回はそんなモンスター社員の特徴、生まれる背景、対処法について解説していきます。

モンスター社員の特徴

会社に悪影響を及ぼすモンスター社員の問題行動はパターンによって様々です。

はじめに、モンスター社員の特徴について解説します。

相手を過剰に攻撃する

周囲の同僚や部下に対してパワハラする社員は、相手の立場や気持ちを配慮せず、自分の考えを見境なくぶつけてくるため、とても攻撃的な印象を周囲に与えます。

このようなモンスター社員の影響で、部下が潰されたり、退職してしまうケースも少なくありません。

指示に従わない

協調性がなく、指示に従わない、報連相ができないなどの社員は、組織で成果を出す企業にとっては非常に悪影響な存在です。

このようなタイプは自分の能力を過信していることが多く、傲慢でわがままな印象を周囲に与えてしまいます。

仮に上司が把握できないところで大きなミスを発生させてしまった場合は、会社に大きな損失を与えるなど、非常に厄介な存在となります。

職務に求められる能力と見合っていない

会社として適切に教育しているにもかかわらず、成果が出ない、ミスを繰り返すといった行動が長期間改善されない場合も、社内に悪影響を与えるモンスター社員として捉えられています。

仕事をしない

コロナ禍によりテレワークが急速に加速した日本企業ですが、より仕事をしているかどうか見えない状況になっています。

余裕があるにもかかわらず仕事を断ったり、仕事を押し付けたりする社員がいることで、周囲の業務負担が重くなってしまう場合があります。

このように、社内にいるモンスター社員の特徴は様々ですが、共通して、会社に対して不利益を与える存在です。

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モンスター社員が生まれる背景

入社した社員がすぐに会社にとって不利益を与える行動をとることは稀で、「モンスター化」するまでには様々な背景があります。

ここでは、社員がなぜモンスター化してしまうのか解説します。

行き過ぎた個人プレーが許される

日本では終身雇用や年功序列賃金の制度が崩壊し、1990年代以降成果主義が導入されてきました。

成果主義のもとでは、掲げられた目標数値を達成することが評価の材料となるため、社員はモチベーションを持って仕事に取り組めました。

しかし2000年代になると、個人主義に走りやすいなどの成果主義の問題点も明らかになりました。

成果主義のもとでは「自分の数字さえ達成すればいい」という思考に陥り、個人プレーに走る傾向があります。こうした行き過ぎた個人プレーが許容される環境があることはモンスター社員を生む1つの要因となってしまいます。

立場や処遇に不満がある

評価項目や基準が明確かつ、評価に納得感を感じられる制度でないと、社員のモチベーションを維持することが難しくなっています。

働くモチベーションを失った社員を増やすことは、モンスター社員を増やす要因となっています。

モラルが低下している

理不尽なクレームや謝罪を求める「モンスターカスタマー」や「モンスターペアレント」の問題が目立ち始めたことと同様に、「モラルの低下」を生む社会背景がモンスター社員を増加させている原因として考えられます。

IT化が進みコミュニケーションが希薄化した現代社会では、顔の見えない一方的なコミュニケーションとなり、相手を慮る姿勢が欠如していきます。

一般的なモラルとかけ離れていることを本人が自覚しないまま、自分勝手でわがままなな要求や主張してしまうことに繋がります。

モンスター社員を抱えることのリスク

企業がモンスター社員を抱えることは大きなリスクとなります。

具体的にどのようなリスクがあるのかを解説します。

業務効率が低下してしまう

仕事をしない、報連相しない自分勝手なモンスター社員の存在によって、必ず社内の誰かに悪影響を及ぼします。

また、モンスター社員からの理不尽な要求や欠勤のカバー、雰囲気の悪化させるなどの行動は、社内のリソースを余分に割くことになってしまいます。

その結果、本来やるべき仕事ができなかったり、客先や取引先に迷惑がかかるなど、モンスター社員の行動が社内の業務効率を低下させることになります。

人材流出してしまう

モンスター社員のわがままで理不尽な行動は、健全で優秀な社員までがネガティブな状況に陥ってしまったり、不快や苦痛により退職してしまうケースも少なくありません。

会社がモンスター社員を野放しにしておくことによって、社内のいじめやパワハラにつながる可能性もあります。


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訴訟の可能性がある

自己中心的で身勝手なモンスター社員とトラブルとなった場合、訴訟問題のリスクもあります。

いくらモンスター社員側に原因があると言えども、力でねじ伏せたり、解雇をしてしまうことは、パワハラと捉えられることや違法になってしまうケースもあるため注意が必要です。

企業にとって訴訟問題は社会的信用の低下にも繋がってしまいます。

モンスター社員に対しての対処法

モンスター社員は士気を下げるだけでなく、金銭的な尊大を与えることもあるため放置してはいけません。

ここではモンスター社員に対しての対処法について解説していきます。

メンタリングやコーチングを実施する

モンスター社員と1対1で信頼関係を結び、課題に向き合いながら主体性を引き出すといったメンタリングやコーチングを実施していくことが効果的です。

メンタリングやコーチングを実行していくにあたり、「聴く力」が重要となります。1on1で対象の社員とのコミュニケーションの機会を多く設け、「聴く」ことを通して信頼関係を構築してくことが、モンスター社員を改善していく重要な要素となります。

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配置転換する

モンスター社員の被害者が明確な場合、引き離す対策として配置転換で対処することもおすすめです。

配置転換によって職務内容が変わり、給与条件が下がる場合は同意が必要となりますので注意が必要です。

注意・勧告・処分の順で対応する

日本の雇用制度上、余程の事由で無い限りモンスター社員をすぐに解雇することは非常に困難です。

まずはモンスター社員の問題行動に対して、明確に注意勧告します。再三の注意勧告している場合は、従わないことに対して処分を出せます。また、勧告にも従わなければ懲戒解雇することの旨を明示した上で、処罰することは可能です。

モンスター化させないための対応策

前項では、モンスター社員への対処法について解説しましたが、社員がモンスター化しないような制度を作っていくことが重要です。

モンスター社員が生まれないようにするためにできることを解説していきます。

心理的報酬を与える

仕事のモチベーションを持っている社員がモンスター化することは稀です。

つまり、仕事のモチベーションを持たせるためには、労働の対価である「金銭的な報酬」に加え、「心理的報酬」を与えてくことが重要です。

社内表彰制度など、社内に賞賛しあったり、褒める文化がある組織には「心理的報酬」を与えていることにつながっています。働くモチベーションを向上させるためにも。社員の自己承認欲求を満たし、社員のモンスター化を事前に防いでいきましょう。

こまめなコミュニケーションを取る

上司と部下が行う定期的な1on1ミーティングを通して、こまめにコミュニケーションを取っていくことで、モンスター社員が生まれるのを未然に防ぐことができます。

特に新入社員や中途入社の社員に対してこまめに1on1を実施していくことで、信頼関係を構築し、不安や不満が大きくなる前にキャッチしていくことが重要です。


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問題行動を見過ごさない

エスカレートした問題行動には、そうした行動が見過ごされる環境にあることが要因としてあります。

良くない行動や迷惑行動を見つけた場合は、すぐに注意や指導するようにしましょう。

モンスター社員を採用しないためのポイント

モンスター社員を採用時に見極めることができれば、職場に悪影響を及ぼすことを防げます。

モンスター社員を雇わないために採用時に気をつけるポイントを解説していきます。

自慢話が多い人は採用しない

モンスター社員は他人への配慮が欠如する傾向があります。自分の功績をひたすら話し、自分が優秀であるアピールばかりをしている場合は注意が必要です。

謙虚な気持ちが少ない人は、他人を見下し、パワハラまがいのことをする可能性があります。

精神的自立性をチェックする

モンスター社員の共通点として、精神的に自立していないことが特徴として挙げられます。

人に依存して物事を選択するため、その選択が間違っていたときは相手に責任転嫁することになってしまいます。また、自分への信頼度が低いので、それを隠すために攻撃的な表現が多くなってしまいます。

相手や周囲に圧力をかけたり、反論されると感情的になったり、過剰な媚びや迎合を見せたりするなど、採用選考時に「精神的自立性」をチェックする質問を投げかけることが大切です。

まとめ

以上、モンスター社員の特徴と背景、対策について解説していきました。

モンスター社員は会社にとって大きなリスクとなります。問題行動を減らし、モンスター化する人材を採用しないことが、会社を守る大切な行動となります。

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