連鎖離職とは?離職が続いてしまう原因・会社への影響・対策

目次
連鎖離職とは
連鎖離職とは、次々と社員が会社をやめてしまうことを指します。
連鎖離職が発生すると、会社の中の業務が停滞してしまったり、社内の士気が下がってしまったり、会社にとってデメリットだらけです。
離職が連鎖してしまう原因・理由
社員の離職が連鎖してしまう原因はなんなのでしょうか。
1. 労働環境が悪い
会社の労働環境が悪いと、離職が連鎖しやすいです。
部署の人手が慢性的に不足していたり、残業が多い会社は社員のモチベーションが下がりやすく離職につながってしまいます。
具体的には、社員の仕事内容の把握がされていなかったり、業務体制の見直しがされていないなどがあるでしょう。
2. エンゲージメントが低い
エンゲージメントが低いと、社員は会社に定着せず離職してしまいやすくなります。
社員のエンゲージメントが低いということは会社に対しての帰属意識も低いということであり、会社に対しての愛着が低いということでもあります。
その会社への愛着や、他の会社ではなくその会社で働きたいという意識が薄くなってしまうことは大きな離職の原因となるでしょう。
具体的に、社員が消極的な会社だったり、全体の士気が低く社員の仲が悪い会社ではエンゲージメントが低いと言えます。
3. 心理的安全性が低い
心理的安全性が低い会社では、社員は離職してしまいやすいでしょう。
心理的安全性とは、簡単に言うと組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことです。
例えば、社員同士のコミュニケーションが少なかったり、上司がパワハラをしていたり、人事評価が毎回信頼できないような会社では、社員の会社に対する心理的安全性は極めて低くなってしまいます。
このような環境では、社員はすぐに会社を離職してしまうでしょう。
連鎖離職が会社に与える影響・デメリット
同時期に何人もの社員が離職してしまうことは会社にとって大きな損失です。
具体的に、どんな影響やデメリットがあるのでしょうか。
ここでは、4つのデメリットについて詳しく解説します。
1. 業務・プロジェクトが停滞する
会社の社員が一度に何人も辞めてしまうと、進行中だったプロジェクトや業務が停滞してしまいます。
さらにそういった業務に対応できる次の人材を探すまで、また作業が停止または滞ってしまい、会社にとっても社員にとっても負担がより大きくなってしまうてめ、次なる連鎖離職に繋がってしまうでしょう。
2. 余計なコストがかかる
一般的に、会社では一人を採用することに平均72.6万かかると言われています。(就職みらい研究所『就職白書2019』)
同時期に何人もやめてしまうと、その次の人材を探すことにも同様にコストと時間をかけなければなりません。
そういった点でも、離職が度重なってしまうことは会社にとって損失と労力が大きいです。
>>3人中2人が自社の人事評価制度に不満あり?現代に即した人事評価制度の運用のコツ
3. 会社のブランドイメージが悪化する
社員が何人も離職する会社は、客観的に会社へのブランドイメージが悪化するでしょう。
これは、会社の印象や評判が低下するだけではなく、ブランドイメージが毀損した状態では、人材を採用する際にも悪影響を及ぼします。
4. 社員のモチベーションが下がる
人が次々とやめてしまう会社では、社員のモチベーションが低下してしまいます。
周囲の人間が離職することで、頻繁に同僚や上司が入れ替わったり、仕事内容が変更を余儀なくされたりすることが増えます。
こういったことが続くと、社員の働くことへのモチベーションや士気が低下してしまうでしょう。
連鎖離職を防ぐ対策
連鎖離職を防ぐためには何をすればいいのでしょうか。
ここでは4つの対策について解説します。
1. 会社で適切な職場管理を行う
会社側が適切な職場環境の管理を行い、職場環境を改善することで、社員の離職を防ぐことができます。
会社の評価体制が杜撰で仕事をやっても正当に評価されなかったり、残業だらけでやりたい仕事ができないような職場では、働くモチベーションは湧きません。
例えば、人手不足により仕事量が増えて残業が多くなってしまっている場合、会社側が適切なタスク管理を行い社員の仕事量を調節して働きすぎを防ぐことで、離職防止にもつながります。
2. 社員それぞれにやりがいを作成する
社員の働く上でのやりがいを会社側が支援することで、エンゲージメントを向上させて離職を防ぐことができます。
会社や仕事への愛着・熱量が高くなることで、その会社で働く必要性が生まれ、社員が継続して働くようになるでしょう。
例えば、会社で研修や講演会などキャリアアップのために必要な成長支援の機会を設けたり、積極的に裁量権の大きな仕事を任せてみるなどやりがいを作成することが有効でしょう。
3. 心理的安全性を高める
会社の中で社員同士の心理的安全性を高めることで、その会社への定着率が向上し離職防止につながります。
心理的安全性が高いということは、社員同士が親密であるという意味ではありません。
心理的安全性が高いというのは、ネガティブなフィードバックや衝突が怒るかもしれない指摘も安心して発言することができ、またリスクを恐れずに仕事することができる状態であり、こういった状態が続くことは社員にとって仕事のやりがいや楽しさにつながっていきます。
そのためにも、例えば、上司と気軽に話せる機会を設けたり、まずは積極的なフィードバックを行うなどが有効でしょう。
>>耳に痛い事を伝え部下を育てるフィードバック~上司が持つべきマインドセットと部下の類型別対応法~
4. コミュニケーションを活性化させる
職場のコミュニケーションを活性化は、離職防止に直結します。
ある調査結果では、9割の人が「コミュニケーションの円滑さが仕事に関係する」と回答しています。(「職場でのコミュニケーション」意識調査ー『エン派遣』ユーザーアンケートー)
職場のコミュニケーションが活性化されることで、仕事の連携や分担が円滑になります。
さらにミスやストレスも軽減されトラブルも防止されやすいでしょう。
そのためにも、例えば、社内チャットなどの設置やサンクスカードといった賞賛制度を導入すると良いでしょう。
離職連鎖を予防するための施策
離職連鎖を予防するために、会社が導入できる具体的な施策はなんなのでしょうか。
ここでは、3つの施策をご紹介します。
1. 1on1ミーティングを実施する
1on1ミーティングを行うことで、社員一人一人の悩みやキャリア希望に寄り添い、社員の離職を予防することができます。
全体のマネジメントだけでは掬い上げられない社員のトラブル解消や、個人に合わせた目標設定も行いやりがいの作成を支援するなど、1on1の時間を使って行えることはさまざまです。
また、こういった時間を定期的に設けることで、上司や会社との信頼関係も深めることができます。
1on1ミーティングの他にも、メンターメンティー制度、シスターブラザー制度も有効でしょう。
このように、優秀な上司やロールモデルとなりそうな管理職と接する機会を設置すると、社員もその会社での自分のキャリアやそこで働くメリットを感じやすく、会社への定着につながります。

2. 評価制度を見直す
評価制度を見直すことは、評価への納得感を高め、社員の会社への定着を促進します。
会社が評価制度をブラッシュアップし、公平かつ納得感のある評価(例えば人事評価方法や給与のはじき出し方に透明性がある)を行うことは、社員側の仕事へのやりがい・モチベーションにつながります。
【人事評価の納得感を高め、エンゲージメントを向上】
評価制度の運用のポイントは「リアルタイムフィードバック」
組織の実行力と推進力を高めるノウハウを集約。
● 目標更新の度にチーム/全社に共有され、進捗を可視化
● 全社/部門目標と個人目標を紐付かせ、貢献領域を可視化
● 1on1の実施状況が可視化され、施策の浸透度と課題を特定
● 賞賛のコメントが全社に共有され、社員の士気を向上
● 週報でコンディションを申告し、組織課題をすぐに特定

例えば、社員に現状の評価制度への不満などがないかアンケートを行って定期的に改善を行ったり、360度フィードバックを導入するなど行うと良いでしょう。
3. レコグニション制度を導入する
レコグニションの文化を取り入れることも、社員の離職防止に効果的です。
レコグニション(賞賛・承認)とは、従業員の仕事上の成果や本人の努力を認め、感謝の気持ちを示すことやチームや組織で表彰を行う事を指します。
レコグニション制度により、些細な業務や努力が評価されやすくなるため、日々の業務へのモチベーションが向上します。
それだけでなく、普段から周りを意識して仕事をするようになるため、業務への理解も進み円滑に仕事が進行するというメリットもあります。
レコグニション制度として代表的なものには、サンクスカードや表彰制度などがあります。
まとめ
連鎖離職を予防することは、会社にとって重大な損失を防ぐことにつながるだけでなく、既存の社員の働き方の負担を軽減することにもつながるため、とても重要です。
これらの対策を実践することで、連鎖離職を予防し、人材の定着を目指しましょう。
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