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プロトスター前川代表インタビュー 『守りの経営と歴代経営者の危機の乗り越え方』

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コロナショックを乗り越えようとしている経営者に向けて、株式会社O:代表の谷本がインタビュアーをつとめる形式で、各回テーマに精通したゲストをお招きし、お役立ちいただける情報を発信しています。

第2回目は、国内最大級の起業家コミュニティ「Star Burst」を運営し、起業家やイントレプレナーなどの挑戦者を支援するインフラ作りに取り組むプロトスター株式会社の前川英麿様に話をお聞きしました。

今回は、「守りの経営と歴代経営者の危機の乗り越え方」というテーマでお届けします。

【ゲストご紹介】
プロトスター株式会社
代表取締役 CEO 前川 英麿 様

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テーマ1. コロナ禍におけるコストの削減

谷本:最初に、コロナショックの影響で資金繰りで苦しんでいる経営者が多いなかで必要な「守りの経営」についてお聞きできますでしょうか?

前川:大変なショックが襲っています。極端にいうと、まずは「生き残ること」が最も重要だと思います。極論をいえば、キャッシュフローが黒字でさえあれば、会社は倒産しません。黒字でありさえすれば、状況を静観することもできます。まずはキャッシュフローが黒字化することを最優先に考えていただければと思います。

谷本:売上が作りづらい現状があるなかで、守りの経営を実践するために、まず行うべきことはなんでしょうか。

前川:まず重要なのは、現状を知ることだと考えています。もし自社が赤字だとすれば、「いつ倒産するかを正確に知る」であるとか、現預金の額などの数字を知ることが大切です。それができれば、冷静になることができます。冷静になって落ち着いたあとに、色々なことを決断するのが大切だと思います。

谷本:なるほど。会社の現状を見える化して把握することが大事ということですね。見える化の具体的なやり方については、どんなやり方をおすすめされますか?

前川:複雑に考えると難しいことですが、一番シンプルに考えると、キャッシュフローを把握しましょうという話ですので、「通帳」の入出金をみることですね。どのタイミングで、どの程度のお金が支出されるのか、逆にどの程度入ってくるのか、エクセルやSaasのツールを使ってみていくことことが大事です。

谷本:前川さんがプロトスター社で実践しているのはどんなことがありますか?

前川:今回のコロナショックに関係なく、毎月の収支について、全メンバーが揃って財務ミーティングを行っています。社内のメンバーは全員、我が社が今どういう状況かを把握してますね。

谷本:すばらしいですね。全社で財務状況を開示することで、どんな変化がありましたでしょうか?

前川:隠すと不安になるんですね。今大変なことが起きているということは、誰がどう見てもわかっている。その時に、言いづらい内容であればあるほど隠してしまうと思うんですが、メンバーとしては、それだと「いかにも隠していて怪しい」ということになります。どうせ大変なのであれば、うちはこういう状況だと開示したほうがいいと考えています。ですので、今動いてますとか、今後こうしていきますとか、逆にこれくらいは倒産しませんとかをオープンにすると、安心感が出てきます。その安心感を前提として、さまざまな対応を行っていくべきだと思います。

谷本:ありがとうございます。ほかに気をつけるべき点はありますでしょうか?

前川:ベン・ホロウィッツの名著『ハードシングス』に「困難を乗り越える一般的なマニュアルなんてない。個社ごとによって状況は違うはずなので、いかに柔軟であるかが重要」という意味のことが書かれています。他社がこうだったからといって当てはまらないこともありますし、自社だからこそできることもあります。いかに柔軟にサバイブするかが極めて重要です。

テーマ2. コロナ禍でうまくサバイブしている事例

谷本:現在のコロナの状況下で、うまくサバイブしていると感じる事例があれば教えてください。

前川:3つ事例があります。1つめは、今一番大変だと言われている飲食業界ですが、もの凄い勢いでDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めているという印象があります。これまで予約がとれなかったような人気店がUber Eats を始めたり、You Tubeチャンネルを始めたりしています。厳しい業界ですが、DXがうまく進んでいるなという企業があります。

2つめは、同じく大変だと言われている旅行業界です。たとえば、「おうちソクたび」というサービスがあります。旅先の魅力をダンボール一箱に入れて家に届けてくれるサービスです。旅先の様子をライブ配信で見ることもできます。実際に行くことはできませんが、旅行気分を味わわせてくれます。

3つめは、私もまだ会っていないですが、この状況でも起業しようとしている人たちです。純粋に凄いなと思います。完全リモート下でビジネスをやれるという人たちがどんなサービスを出していくのか。非常に楽しみです。

谷本:コロナの状況下でうまくいっている会社の共通点は何でしょうか?

前川:うまく立ち回っている会社に共通していることは、本質的なニーズを捉えていることだと思います。よく「需要が消滅した」と言われますが、実際は、「需要が別のかたちに転換しているだけ」です。外食産業でいうと、「一億人の胃袋がある」こと自体は消えていません。あるいは、旅行先で気分転換したいというニーズ自体も変わっていません。本質的なニーズは何かを考えることが非常に重要だと思います。

谷本:BtoCにおいては巣ごもり消費が増えている一方で、対面営業が中心だったBtoBは厳しい局面を迎えていると思います。BtoBの会社は、今後どうなると思いますか?

前川:オンライン上での営業手法が確立されてくると考えています。もっというと、それを確立した会社が生き残ると思います。コロナが終わったあとも、オンラインでの営業の効率化は進むのではないかと思います。

谷本:あらためて、コロナ禍を超えて生き残る会社になるには、今経営者はどのように考えるべきでしょうか?

前川:繰り返しになりますが、本質的なニーズが何かを改めて考えるかが鍵になると思います。それを押さえた上で、具体的な手法を柔軟に考える必要があります。デジタル化は必須ですが、それに何をプラスαとして加えられるのか。自社がどんな付加価値を提供してきたのかを改めて考えることをおすすめします。

テーマ3.歴代経営者の苦難の乗り越え方


谷本:では、次のテーマである「歴代経営者の苦難の乗り越え方」に移りたいと思います。唐突ですが、コロナ期を過去の時代で表現すると何時代になると思いますか?

前川:難しい質問ですね(笑)。あえて突飛な表現をしますと、「産業革命が進んでいると思ったら、隕石がぶつかった時代」でしょうか。どういうことかといいますと、産業革命は価値の転換が起こった時代です。馬車という移動手段は、鉄道、自動車に転換しました。そして、恐竜は隕石がぶつかって絶滅しましたが、隕石によって75%の種が絶滅し、個体でいうと99%が死滅したという急激な変化が訪れました。そのように、価値の転換が起こっているなかで、隕石のようなコロナが訪れた。そういう風に言えるのではないかと思います。

あるいは、明治時代日本に近いとも言えるかもしれません。それまで江戸時代だったのに、急に産業革命が起きました。黒船という外部環境の変化によって、大きな変革を余儀なくされた時代という意味では、現在の世の中に似ていると思います。

谷本:ありがとうございます。それでは、経営者の話に移りたいと思いますが、苦難を乗り越えてきた偉大な経営者の事例を教えてください。

前川:経営の神様と言われた松下幸之助を挙げたいと思います。松下さんは、昭和4年に昭和恐慌に見舞われています(全然日本の一番大きな恐慌です)。松下電器も売上が半減し、在庫が溢れました。
そこをどう乗り越えたか。幹部からは、従業員を半減しろと言われていましたが、「松下が今日終わるんだったら半減しましょう。

しかし松下電器そのものは今後大きくしたい。だから、社員を1人も解雇してはいけない」と考えたそうです。

具体的に何をしたかというと、生産を半減して、工場も半日勤務にしました。

その代わり休日を返上して、残った在庫をみんなで売ろうと動きました。

半年くらいかかると予測していたようですが、2ヶ月で在庫を売り切りました。その結果、生産が追いつかなくなり、半日勤務を全日勤務に戻したそうです。

社員が一致団結したことが大きな結果につながったと言えます。のちにに松下幸之助は「好況よし、不況さらによし」という言葉を残しています。

不況だから見えることもあるし、エンゲージメントを高めて団結するチャンスもあるということだと思います。

谷本:松下さんをはじめとした偉大な経営者の共通点は何でしょうか?

前川:松下さんや京セラ創業者の稲盛さんなどの偉大な経営者は、まず第一に、会社の状況を本質的に把握しています
そして、透明性を大事にしています

松下さんは、従業員が10名程度のときから、決算をメンバーに公開していたそうです。さらに、うろたえずに冷静な判断をしていることも共通点だと思います。

テーマ4. 困難な時代におけるチームマネジメント/エンゲージメント/1on1

谷本:コロナ禍で、チームまネジメントに課題を抱える経営者多いと思います。こういう困難な時代におけるチームマネジメントについて、前川さんはどうお考えですか?

前川:コロナの状況下で絶対外せないのは、「健康第一」だと思います。そその上で、必須となるのがオンライン化です。リモートワークで会社ごとの正解をどうやって見つけるか。今まさに各社が取り組んでいることです。例えば、全世界でリモートワークを実践しているGitlab(ギットラボ)社の例もありますので、完全リモートで会社運営はできると思います。ただし、個社ごとにやり方は異なります。

谷本:もしあれば、御社において、リモート下のマネジメントで工夫している点について教えてください。

前川:基本的なことですが、毎朝ミーティングやっています。あとは、いかに雑談をつくるかということを重視しています。例えば、金曜の夜は雑談をするだけの時間を設けています。数チームにわけて、焚き火の動画を囲みながら雑談をしています(笑)。ポイントは、いかに頻度よく顔を見せ合うか。そこが要点だと考えています。エンゲージメント向上にもつながるポイントかと思っています。

あとは、1on1も積極的に実践しています。

テレワークやリモート環境において、顔が見えづらい状態でも部下との強固な信頼関係構築にもつながりますし、業務の過程の振り返りを手伝ったり、どういう背景で悩んでいるのかわかると、本人の成長にもつながるためです。業務だけでなくメンタル面でも支えられる状態になると、モチベーション低下を予防できます。

谷本:1on1はたしかにテレワーク下で非常に有用で、制度化している企業が多いですよね。なお、業務の管理や情報の共有はどのように実践していますか?

前川:チャットツールはSlackを使っています。セールスについては、HubSpotをメインで使っています。コロナの状況下でいろんなSaaSが無料開放されていることもありますので、さまざまなサービスを手当たり次第使っているのが現状です。使ってみて、よかったものを残していきたいと考えています。

谷本:リモートワークの場合、透明化がおざなりになる部分もあるかと思いますが、いかがでしょうか?

前川:コミュニケーションの頻度を高めることですね。それと、オンラインのミーティングでは、オーバーリアクションが大事だと考えています。

谷本:貴重なお話ありがとうございました。

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