報連相は時代遅れ?古いと言われる理由や正しいやり方を解説

日本のビジネスシーンで広く知られている概念である「報連相」ですが、昨今ではこの「報連相」が時代遅れであるなんていう意見も良く見かけるようになってきています。

本記事では「報連相」の意味や期待される役割について改めておさらいするとともに、「時代遅れ」などと言われてしまう理由や、「報連相」に台頭するような新たな用語もいくつか解説していきます。

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ビジネスにおける「報連相(ほうれんそう)」とは?

そもそも「報連相(ほうれんそう)」とは、「報告」・「連絡」・「相談」の3つの言葉からそれぞれ頭一字ずつを取ったビジネス用語であり、情報共有のフレーム(型)でもあります。

ビジネスセミナーで耳にしたり、新人研修等で先輩社員から教わったなんていう方も多いのではないでしょうか?

改めて、それぞれの言葉の意味を具体的な例とともにおさらいしてみましょう。

  • 報告(ほうこく):自分の仕事やプロジェクトの進捗状況、課題、成果などを関係者に報告すること。
    • 例)アポイントメント後の結果、成果報告など
  • 連絡(れんらく):関係者間で情報や意見を共有し、連絡を取り合うこと。
    • 例)注意喚起のメール、アポイントメントや案件に関するスケジュールの共有など
  • 相談(そうだん):必要に応じて関係者に意見や提案を求めたり、上司に相談したり指示を仰ぐこと。
    • 例)控えている商談に関して上司にアドバイスを求める、資料作成に関する質問など

こう見てみると、「なんだそんなことか」と思う方も少なくないかもしれません。実際に、ビジネスシーンで働くほとんどの人はこのような「報連相」を意識せずとも当たり前に行っているのでしょう。

しかし「報連相」は、単なる情報共有の手法の枠をも超えた色々な効果をもたらしたり、或いはネガティブな効果をも派生させることもあったりと、意外なほどその表面的な意味に収まりきらない興味深いフレームでもあります。

これらの「報連相」がもつ様々な働きについては、後述で詳しく解説していきます。

報連相の目的

報連相」行う主な目的は、会社やチーム全体での情報共有です。自身の持っている情報をチーム全体に共有し、さらに自分以外の関係者の情報も共有してもらうことで、チーム全体で情報の抜け漏れがない状態を作ることができます。

また、「報連相」はただ情報共有をすることのみにとどまりません。もちろん正確な情報を全体に見える化させることは「報連相」の主目的ではありますが、プラスで副次的な目的や役割を担うことも期待されています。

例えば、「報連相」を行うことで、組織やチーム内の連携が強化され一体感を持たせることが可能になります。

「報連相」は情報共有を通じて会社やチーム内を繋ぐ機能を持つので、プロジェクトやチームの規模が大きければ大きいほどその重要性が増してくるということです。

報連相ができた歴史的背景

報連相」がなぜ生み出されてどのように広まったのか、その起源は1900年代まで遡ります。

一般的に広く知られているのは、1982年頃に山種証券(現・SMBCフレンド証券)の山崎富治社長が発案し、社内で始まった「ほうれんそう運動」が社外にも広まったという説でしょう。

当時中堅の山崎証券の社長であった山崎氏は、社員の声が耳に入りづらくなりつつあることに危機感を覚え、「上下左右関係なく、腹を割る」というコンセプトのもと「報連相」を提唱し始め、間もなく「ほうれんそう運動」を開始させました。

また、この起源については諸説あり、一部では「報連相」という言葉を実際に提唱したのは山崎富治氏ではなく彼の父親である種二氏であるとも言われており、本当のところは定かではありません。

いずれにせよ、山種証券の山崎富治氏が「ほうれんそう運動」を通して、「報連相」を日本のビジネスシーンに広く普及させたことに間違いはありません。

報連相が時代遅れ、古いと言われる理由

広くビジネスパーソンの間で活用されている「報連相」ですが、最近では「時代遅れ」「古い」と言われてしまうことも。

昭和時代から日本企業のビジネス現場を支えたといっても過言ではない「報連相」ですが、どのような理由でそのような「過去の遺物」扱いを受けるようになってしまったのでしょうか。

まず大きな要因として考えられるのは、「報連相」が提唱されはじめた昭和時代の日本企業からは、現代の日本企業が大きく変化を遂げているという点でしょう。

昭和の日本企業でのビジネスシーンでは確実性や安定感が最重要視されるような風潮がありましたが、現代ではスピード感や業務効率性が何よりも求められるようになりました。裁量労働制やフレックスタイム制を導入する企業も増え、「所定の時間働いた」ことよりも「どれだけの成果を残した」ことがより重要視されるようになり、いかにスピード感を持って仕事の成果を上げるかが鍵となりつつあります。

また、「報連相」を徹底することが、逆に主体性のない「指示待ち」人間を生んでしまうという考えもあるようです。それでは、以上を踏まえて「報連相」のネガティブな点について一つずつ確認してみましょう。

報連相に代わる会議・日報が頻繁にあるから

報連相に代わる会議・日報が頻繁にある」なら、むしろ「報連相」を徹底することが非効率的になる場合があります。

日報や定例会議など定期的な情報共有の場があらかじめしっかりと用意されている場合は、それに重複してまで個別に都度「報連相」を行う必要はありません。

情報を受け取る側としても、都度バラバラに情報が入ってくるよりも、まとめて整理された状態で報告を受けるほうが格段に把握が楽になるでしょう。

業務が忙しく、非効率だと思われているから

あまりにもタスクが多く「業務が忙しい」時は、「報連相」を徹底することがむしろタイムロスになる場合があります。

業務効率化やスピード感が何よりも叫ばれる現代において、ことあるごとにいちいち「報連相」を行っていると、時間のロスや進捗の停滞を招いてしまうこともあります。目の前に山盛りのタスクが用意されているにも関わらず、一つ処理するごとに報告を入れているようでは埒があきませんよね。

仕事を行う上で良かれと思って「報連相」を行っているにも関わらず、かえって非効率に陥ってしまうのは考え物です。

個性・主体性が大事と言われているから

「個性・主体性」は、「報連相」に頼りすぎると育ちにくくなる場合があります。

自分一人には手が余る案件を目の前にしたとき、多くの場合は上司や同僚といった関係者にアドバイスや提案を受けようと「相談」という選択肢を取るでしょう。もちろん仕事を行う上で、客観的なアドバイスを貰うことにより自分では気づけないような欠陥やミスを発見できたり、より最良の選択や判断が可能になることは言うまでもありません。

しかし、他の人の意見や知見を反映させながら進める仕事というのは、当事者本人の個性や主体性の発揮・成長を妨げてしまうという側面もあることに注意しなければなりません。

何でもかんでもすぐ相談してしまう前に、時間が許す限り自分で情報を集めたり、最良の選択を考えてみると良いかもしれませんね。

報連相を行うメリット

「時代遅れ」や「古い」と言われてしまうこともある「報連相」ですが、日本企業のビジネスシーンに長く根付いてきたなりのポジティブな面ももちろん数多くあります。

「報連相」を行うことによるメリットや、期待される効果についても知っておきましょう。

業務が円滑に進む

「報連相」を行うメリットの一つに、「業務が円滑に進む」ことがあります。

「報連相」を徹底することによって、チームやプロジェクト内の持続的な情報共有が実現できます。プロジェクトが大きければ大きいほど、自分の関わることができる裁量の範囲のみではプロジェクト全容の情報を知ることは難しくなり、お互いの情報共有が何よりも大切になります。

もしそこで「報連相」をしないでいると、情報が不足してしまい、必要な情報を共有されるまでのプロジェクトの停滞や情報不足な状態で判断に踏みきったがゆえのミスやトラブルなど、ネガティブな状況を引き起こすことにもつながります。

業務効率を向上させて仕事を円滑に進めるためにも、「報連相」を実践することは有効です。

大きなトラブルを回避できる

大きなトラブルを回避できる」ことも、「報連相」を行うことによって得られるメリットのうちの一つです。

ダブルチェックやトリプルチェックという言葉にもあるように、より多くの回数や人数の確認が入れば入るほどミスを発見しやすくなり、大きなトラブルの回避につながります。普段から「報連相」を徹底していれば、自然とこのチェックを何重にも行えている状態になります。

一人ではいくら気を付けても気づけないようなミスや欠陥はどうしても排除しきれないものなので、他人の目で確認してもらうことは問題解決の重要なカギとなります。

人間関係が改善される

人間関係を改善する」ことも、「報連相」を行うことによって得られるメリットのうちの一つです。
「報連相」を行うことによって自然とコミュニケーションが発生し、人間関係が活性化されます。

また、お互いの仕事の進捗状況や成果を知ることで、相手の仕事へのリスペクトや興味をも生み出すといったポジティブな効果も期待できます。

また、「報連相」は上司にその進捗状況や成果をアピールする機会でもありますし、「報連相」する際の簡潔さや分かりやすさなど、「報連相」という行動自体からもその人の能力を垣間見ることができるのです。人間関係の改善は離職防止にもつながります。


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報連相の正しいやり方

では、どのような「報連相」のやり方がビジネスシーンでは好まれるのでしょうか。
実践を意識した正しい「報連相」のコツを確認していきましょう。

報告

「報告」をする適切なタイミングは、成果を獲得したり、アポイントメントや営業が終了したりと何かしら出来事が一段落したタイミングです。

内容としては、その出来事の結果や成果、そしてそこに至るまでの経緯も合わせて報告します。「報告」は取り急ぎことの顛末を知らせるという意味合いが強いので、意見や主観などは交えずに客観的かつ簡潔に、順を追って事実のみを整理して伝えるのが良いでしょう。

連絡

「連絡」をする際は、最も重要であるメインの連絡事項が過不足なく正しく伝わるように、だれが見ても分かりやすい明確な指示や文言であることを意識しましょう。

また「連絡」は、情報を伝達するという意味では「報告」と混同されがちですよね。「報告」は既に経過した物事の結果とその経緯を伝達することに対して、「連絡」は現時点あるいはそれ以降のスケジュールや注意喚起等を関係者に伝えるという点で異なります。

物事の結果を都度伝えるのが「報告」、現時点以降の必要事項を共有するのが「連絡」と考えると分かりやすいですね。

相談

仕事を進めるうえで不安な点や不明瞭な点がある時、或いは自分の判断に自信が持てない時は、上司や同僚に「相談」してみましょう。

その仕事にかかわる時間が長ければ長いほど、先入観が蓄積されどうしても見方や考え方が固定化されがちになります。他人の新鮮な視点を通して違う角度から俯瞰することで、初めて見えてくるような気付きやアイデアがあるかもしれません。

また、自分が持っていない知識やスキルを使って物事を考えられるという点でも、他人に相談することは効果的です。

報連相の注意点・ポイント

「報連相」をする際に気を付けるべき注意点やポイント、NG行動などを解説していきます。

以下の点を参考にして、適切な「報連相」のやり方を学んでいきましょう。

事実を伝える

「事実」のみを伝えることは、「報連相」、特に「報告」と「連絡」を行う際には大事なポイントです。

「報告」や「連絡」では、純粋な事実のみを正確かつ簡潔に伝えましょう。自分の意見や主観を入れて報告してしまうことは、報告相手との認識の齟齬を生む原因にもなります。

悪い内容ほど早急に伝える

「悪い内容ほど早急に伝える」ことは「報連相」において最も重要であると言えます。

これについては、新人研修等で口を酸っぱくして指導された方も多いのではないでしょうか。都合の悪いミスやトラブルを発見してしまった時というのは、誰しも伝えるのに尻込みしたり、隠蔽しようとしたり、叱責を恐れて露見を遅延させたりといった行動を取ってしまいがちで、またそういった行動に身に覚えがある方も少なくないかもしれません。

しかしビジネスシーンでは、一度発生したミスやトラブルは時間が経つにつれてどんどんリスクが肥大化し、周囲が認識した時には挽回不可能なほどに事態が複雑化していたなんてことは珍しくありません。

ミスやトラブル解決は鮮度が命であり、言い換えると、発見が早ければ早いほど大事に至る可能性を減らすことができます。早期のミスやトラブル報告はむしろ感謝されるべきくらいに考えて、ネガティブな内容ほど早急に報告するようにしましょう。

結論を最初に伝える

結論を最初に伝える」ことは、「報告」や「連絡」を行ううえで非常に重要です。

報告相手の知りたがっている内容にもよりますが、基本的にビジネスシーンでは時間が何よりも貴重になってきます。限られた時間の中で報告しなければならないのに、経緯や背景の説明に時間を取られてしまい、最も大事な結果や結論部分の報告がおろそかになってしまったなんてケースは目も当てられません。

また、結果や結論が分かっている状態であれば、背景やそこに至るまでの流れもなんとなく予想を立てながら聞くことができますよね。

報告を受ける相手のことを考えて、すんなりと把握・理解してもらえるような報告を心がけましょう。

相手の状況を見て話しかける

「報連相」を行うときは、「相手の状況や様子を見て話しかける」ようにしましょう。

「報連相を徹底しろ」と教えられた人ほど陥りがちですが、いくら「報連相」をするためとはいえ、相手に不便を強いてまで強行すべきではありません。

例えば、報告を受ける相手が今電話に出られるタイミングかどうか考えたり、或いはメールやSNSであっても急用でなければ返信を急がない旨を記載するなど、時間や手段、伝え方など、相手を配慮した「報連相」を心がけましょう。

相手がいてこその「報連相」であり、一人で行えるものではないことを念頭に置きましょう。お互いがやりやすいように報連相を行うためには1on1も効果的です。

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事前に情報を整理しておく

事前に情報を整理しておく」ことは、「報連相」をスムーズに行ううえで非常に重要な点です。

「報連相」を徹底すればするほど共有する情報量や頻度も増え、報告される側にしても、情報を把握・理解するのにたくさんの時間や脳のリソースを割く必要があります。

特に文面ではなく口頭で報告する際には、少しでも報告を受ける相手の負担を軽減するためにも、伝える情報は予め整理したうえで筋道立てて「報連相」ができるように意識しましょう。また、情報を分かりやすく整理し体系立てて説明する訓練は自分自身の成長にも繋がります。

「報連相」に代わる情報共有の方法

「報連相」が「古い」「時代遅れ」であるからと言って、情報共有を疎かにしてしまうのはビジネスシーンにおいて余りにも悪手です。

「報連相」に頼らない場合に代用可能な、新たな情報共有の方法を最新のものも含めていくつかご紹介します。

確連報(かくれんぼう)

確連報(かくれんぼう)」は、「報連相」に次ぐ新たな情報共有のフレームとして注目されています。

「確認」、「連絡」、「報告」の頭文字を取ったもので、「相談」が「確認」になっているのが「報連相」との違いですが、このたった一文字の違いがかなり画期的だったりします。

まず、「確連報」で求められるのはあくまで「確認」なので、結論まで思考したうえで自分自身で判断を下すことになります。「報連相」では自主性や考える力が育たないというネックな部分を解消した形になっていますね。

また、「相談」ではなく「確認」だからとは言え、それはなにもほったらかしにするということではありません。「自分だけで考え、判断を下す」となると、どこか突き放された感じがするかもしませんが、結論まで考えたうえで、上司や同僚からフィードバックを得るという選択肢も取ることができるというのが「確連報」の優れている点です。

このように、「報連相」のおおよその形は残しつつネックな部分を解消した、”いいとこどり”なフレームであるといえます。

ソラ・アメ・カサ

昨今最も注目されているといっても過言ではないフレームは、大手外資コンサル企業であるマッキンゼージャパン発祥の「ソラ・アメ・カサ」ではないでしょうか。

ソラ・アメ・カサ」という言葉だけを見ると何が何だか分からないとは思いますが、それぞれの単語が適切に状況を抽象的に表現している非常に秀逸なフレームですので、早速確認していきましょう。

ここで、「ソラ・アメ・カサ」のそれぞれの意味や使い方を見てみましょう。

  • 「ソラ(事実)」:主観を排して純粋なファクト(事実)のみを整理してみる
    • 例)空を見ると曇っている 
  • 「アメ(解釈)」:事実に基づいて解釈、分析する→どうなるか?(洞察、予想)を考える
    • 例)雨が降りそうだ 
  • 「カサ(判断)」:どうなるか?(洞察、予想)に基づいて、それならばどうするべきか?(解決策、結論)を判断する
    • 例)傘を持っていこう 

事実を確認して、その事実を解釈し自分なりに予想を立て、それに基づいて判断を下すというビジネスシーンで求められるプロセスを、空模様を起点とし日常のなんでもないような思考判断の流れに簡潔に落とし込んでいるのです。

では、この「ソラ・アメ・カサ」が旧来のフレームに比べて画期的であるとされる点をいくつか見てみましょう。

ソラ・アメ・カサの画期的な点

「ソラ・アメ・カサ」の画期的な点として、次の4つを挙げることができます。

  • タイムロスが限りなく少ない
    • 「ソラ」→「アメ」→「カサ」の一連の流れは自分一人の思考・判断で最後まで完結できる形になっていますよね。逐一の情報共有・相談を求める「報連相」に比べてかなりのタイムロスを削減できることがわかります。
  • 論理的思考力が育つ
    • 「ソラ」では主観を排除してファクト(事実)のみを抽出して整理することが求められることから一転、「アメ」では自分なりに対象を分析・解釈することが求められ、さらに「カサ」では完全に自分のノウハウや知見頼りに結論を出さなければなりません。各フェーズでそれぞれ異なった思考力を鍛えることができます。
  • 自主性が育つ
    • 状況に応じて相談や提案が発生するとはいえ、フレームとしては「ソラ」から「カサ」まで一連の流れを一人で完結させることになり、自分主体で思考し判断する力を持った人材の育成が可能となります。
  • 明確かつ簡潔な報告が可能
    • 報告相手が真に知りたい内容として、「どうするか」を求められたら「カサ」から、「どうなったか」なら「ソラ」から、「どうなるか」なら「アメ」から答える、というように、相手の最も知りたい情報を最速で伝えることができます。

このように、業務効率性やスピード感、自主性が求められる現場により良く適応した、シンプルながらも非常によく考えられているフレームであるといえます。

雑談・相談(ざっそう)

昨今のビジネスシーンでは、「ざっそう(雑談・相談)」という新しいフレームも注目されています。
「雑談」と「相談」の頭文字を取って「雑草」とかけた造語で、意味としては雑談の中で仕事の話をするというものです。

「報連相」の問題点について、モチベーション自体はあるものの「上司が怖くてそこまで頻繁に報連相しにくい」といった指摘も散見されます。そのような問題点を解消するために、上司とフランクに雑談しながら仕事の話もできるという状況を理想として「雑相」が提唱され始めましたが、実際に仕事中に上司に雑談を持ち掛けるのは「報連相」よりもむしろハードルが高いように思えますよね。

そのため、この「雑相」は部下に対する接し方として上司側に推奨されるフレームであるように思います。

また、「報告」と「連絡」はしなくて良いのかというともちろんそういうわけにもいきません。必要なことは「報告」及び「連絡」すべきであることに変わりはないので、実際のビジネスシーンとしては上司部下双方向に「報連相」し、それに加えて上司から「雑相」するという「報連相(双方向)+雑相(一方向)」が現実的ですね。

まとめ

これまで「報連相」という既に広くビジネスシーンに浸透しているフレームから、現時点ではあまり知られていない「報連相」に代わるような最新のものまで、情報共有に関するアレコレを色んな角度から紹介してきました。

昨今、様々な情報共有のフレームが次から次へと新たに生み出されては拡散されており、それと同時に旧来のものは「時代遅れ」「古い」とレッテルを貼られがちな風潮さえ蔓延し始めています。

しかし大切なのは、時代や世間にとっての「合う、合わない」ではなく、各々の職場環境や働き方にとっての「合う、合わない」なのではないでしょうか。

自分やチームが置かれた職場環境や働き方の中で、最もパフォーマンスを出せるようなやり方を試行錯誤しながら見つけることが大切です。

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