「1to1」と「1on1」の違いを徹底解説!混同しやすい2つの明確な違いとは?

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「1to1」と「1on1」の違いを徹底解説!混同しやすい2つの明確な違いとは?

1to1」と「1on1」の違いは何ですか?と質問されることがあります。この2つの違いを説明できますでしょうか?

どちらもビジネスシーンで大きく注目されていますので、それぞれを正確に理解することが求められています。
本記事では、「1to1」と「1on1」の違いについて説明していますので、ぜひ最後まで読んで、それぞれについてしっかりと理解していきましょう。

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1to1はマーケティング手法で、1on1マネジメント手法

「1to1」と「1on1」は、主に違う分野で使われる用語です。
1to1はマーケティングの手法で、1on1はマネジメントの手法です。

どちらもビジネスで使用される点は共通していますが、全くの別物です。
どちらもそれぞれの領域で重要であり、注目度が高いため使用頻度も高く、違いを明確に理解しておく必要があるでしょう。

それでは、「1to1」と「1on1」のそれぞれについて説明していきます。

1to1は1to1マーケティング(One to Oneマーケティング)を省略したもの

1to1とは、1to1マーケティング(One to Oneマーケティング)のことを省略した表現です。

1to1マーケティング(One to Oneマーケティング)は、「顧客一人ひとりに合わせたマーケティング」という意味で、すべてのユーザーに対して画一的に働きかけるのではなく、顧客それぞれの興味関心、ニーズに合わせたマーケティングを行うことを指します。

対義語としてあるのは、テレビCMや新聞広告などのマスマーケティングが当たります。

1to1マーケティングが注目されている背景には、インターネットが普及したことがあります。
インターネット普及以前は、テレビCMなどのマスマーケティングによって、多くの人に情報を届けて、1つのトレンドを作ることで、商品を購入してもらうことが一般的でした。

しかし、インターネットが普及すると、顧客それぞれの好みや価値観を把握したり、顧客のインターネット上での行動や状況を感知できるようになりました。
本来、多様であった顧客の興味関心やニーズに応える形で、広告などのマーケティングを実施できるようになりました。

このような時代背景で、1to1マーケティングはマーケティング業界のみならず、ビジネスパーソンの間で非常に注目されています。

1on1は1on1ミーティングを省略したもの

1on1とは、1on1ミーティングを省略した言葉です。

1on1ミーティングは、「上司(マネージャー)と部下が1対1で行う、定期的に実施される面談」のことです。
アメリカのシリコンバレーで人材育成を目的として確立された手法で、日本でもヤフー株式会社などが取り入れたことから注目を集め始め、2020年には、企業規模に関わらず約4割の企業が導入しています。
このことからも、1on1ミーティングが非常に注目されていることがわかります。

1on1ミーティングで、部下の抱えている悩みやキャリアについて理解したり、業務上の課題への解決策やフィードバックを行うことによる部下の成長を促進することができます。

これまでのような人事評価の面談や進捗管理をするだけの面談とは異なり、1on1ミーティングは主に部下の成長を目的とした面談です。
1on1ミーティングを実施することで、部下の成長促進だけでなく、エンゲージメント向上や離職防止につながるため、導入する企業が増加しています。


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英語における「1to1」と「1on1」の違い

「1to1」は英語で、同じく「1to1」や「one to one」または、ハイフンを入れた「1-to-1」や「one-to-one」と表記され、意味としては日本語で「マンツーマン」を意味します。

「1on1」は英語で、「1-on-1」や「one-on-one」で、一般的にハイフンを入れた形で表記されます。こちらも日本語で「マンツーマン」の意味を指します。

どちらにも日本語の「マンツーマン」の意味がありますが、それぞれ微妙に意味が違います。(ちなみに「マンツーマン(man to man)」は和製英語で、本来の意味は 「男同士の」 「腹を割って包み隠さず」 といった意味になるようです)

英語の「1to1」には、「一方通行の流れ」というニュアンスがあります。
例えば、日本語で言う「マンツーマンレッスン」など、ある1人(先生)がある1人(生徒)に英語などを教えることを表現するときは、「1to1」を使用することが適しています。

一方で、「1-on-1」は、2人が 「1対1で対峙すること」 を表し、2人が双方向で関わるというニュアンスがあります。
例えば、2人の方が討論を行う場合や、スポーツや格闘技などで2人が1対1になる場合に「1-on-1」が使われます。
また、1対1の 「ミーティング」 や 「面接」 なども「1-on-1」が使われます

1on1ミーティングは、上司と部下が双方向のコミュニケーションを行う場ですので、
誤って「1to1ミーティング」としてしまうと、マネージャーからの一方的なコミュニケーションを意味してしまうので、注意が必要です。

1to1マーケティングとは

ここでは、マーケティングの手法の1つである「1to1マーケティング」について詳しく解説していきます。

インターネットの普及により、顧客1人のデータ収集容易になったことなどが理由で急速に拡大した1to1マーケティングですが、オンライン上だけでなく、以前からオフラインのマーケティングでも行われています。

それでは、1to1マーケティングの効果や具体的な実践方法を解説していきます。

1to1マーケティングの効果

1to1マーケティングを実践する効果として以下のようなことが考えられます。

  • マーケティングの費用対効果の向上
  • 顧客との信頼関係を築きやすい

1to1マーケティングは、見込み顧客や顧客の知りたいこと、体験したいことに合わせて、製品・サービスのマーケティングを行なっていくため、従来の手法よりもより効率的に販売を促進することが可能です。
また、顧客は自分の知りたいことなどをピンポイントで提供してくれるため、自身に合っていると感じることで、企業への信頼感を高めていきます。

このような効果が期待できることから、非常に注目度が高いマーケティング施策となっています。

1to1マーケティングの具体的な方法

1to1マーケティングの代表的な方法についてオンライン・オフライン上のそれぞれに分けて紹介していきます。
代表的な方法は以下の通りです。

  • リターゲティング広告
  • レコメンドシステム
  • パーソナライズドDM
  • テレマーケティング
  • インストアイベントへの招待

それでは、それぞれの方法について詳しく説明していきます。

オンライン上の1to1マーケティング

オンライン上で実施されている主な1to1マーケティングは以下のような手法があります。

  • リターゲティング広告
    • 顧客がインターネット上での行動データ(Cookie)から、他のウェブサイトに訪れてもその行動に即した広告が表示されるようになる広告のことです。
      例えば、賃貸サイトを訪問した後、SNS等を開くと広告が賃貸サービスばかりになっていることを経験したことがある人は多いのではないでしょうか?それがリターゲティング広告です。
  • レコメンドシステム
    • ECサイトでよく導入されている方法で、ECサイト上での顧客の行動をもとにおすすめ商品や関連商品を表示させるシステムのことです。
      他にもそれらのユーザーデータをもとにメールマーケティングを実施したりと活用の幅は非常に広いです。

オフラインでの1to1マーケティング

以前から実施されているオフラインでの1to1マーケティングの手法について説明していきます。

  • パーソナライズドDM
    • 顧客1人に向けて、内容や送付タイミングがカスタマイズされた特別オファーや情報を含む手紙やカタログを自宅などに送付することです。
      例えば、誕生日特別割引クーポンのハガキなどを送付することがパーソナライズドDMに当たります。
  • テレマーケティング
    • 顧客に電話をかけ、ニーズの聞き出しや詳しい商品説明、質問への回答、商談獲得などを行う手法です。
  • インストアイベントへの招待
    • インストアイベントとは、関係者やお得意様を招待して開催されるイベントのことで、招待することで顧客のロイヤリティを上げることができます。

他にも、顧客1人の好みや趣味などを従業員が覚えておき、その人が訪れた際にはその人にあったサービスを提案することも立派な1to1マーケティングです。また、1〜2度訪れた飲食店で名前を覚えておくことも1to1マーケティングと言えるでしょう。

このようにインターネット普及以前からも、自社への信頼獲得や認知度向上のために、1to1マーケティングを実施してきたことがわかります。

1on1ミーティングとは

それでは、マネジメント手法である1on1ミーティングについて解説していきます。

1on1ミーティングは、上司と部下による1対1の定期的な対話の時間です。
一般的な面談と異なる点は「1on1は部下のための時間である」と言うことです。

上司は、部下の状況や課題、関心ごとを把握することで、アドバイスやフィードバックを行なったり、次の行動を一緒に決めたりします。
そして、結果として業務効率・質の向上や業績の向上などの効果が期待できます。


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1on1ミーティングの目的

1on1ミーティングの目的は、部下の成長を促進することです。

部下は日常業務の中で、様々な成功と失敗を体験しています。
部下が体験したことについて、考えていることや成功要因・失敗要因などについて話し合い、部下の成長を促進し、支援することを1on1ミーティングで行います。

部下の話を聞いて、業務やキャリアの振り返りを実施し、部下が持つ悩みや課題への解決策のアクションプランを立てたりすることで、納得感を持って次の行動を促すことができるでしょう。

その結果、1on1ミーティングの効果として以下のようなことが期待できます。

  • 部下の成長・モチベーション向上
  • 上司と部下の相互理解による信頼関係の構築
  • キャリアの自律支援
  • 目標達成率の向上・会社全体の生産性向上
  • 離職率の低下

週1回15〜30分の時間をかけても費用対効果が期待できるため、導入する企業が増加しています。

1on1ミーティングで話すこと

では実際に1on1ミーティングでは何を話せば良いのかについて説明していきます。
1on1ミーティングは、前提として自由な対話の場であるものの、実際には話されるべき内容がいくつかのカテゴリーに分類されることが多いです。

  • 業務・組織課題の改善
  • 目標設定/評価
  • 能力開発/キャリア支援
  • 戦略・方針の伝達
  • プライベートの相互理解
  • 心身の健康チェック
  • モチベーションアップ

これらの内容を部下の状況に応じて使い分けることによって、部下の成長を促進していきます。

1on1で話すことを目的別にまとめた具体的な質問集(アジェンダ)についてはこちらの記事で詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

1on1ミーティングのやり方

ここでは、1on1ミーティングを成功させるためのやり方のポイントを紹介します。
1on1ミーティングの具体的なやり方は以下の通りです。

  1. 1on1ミーティングの実施目的を伝える
  2. スケジュールや実施場所を決める
  3. 話す内容・質問項目(アジェンダ)を考える
  4. 話す内容・質問項目(アジェンダ)を部下に共有し、事前に記入してもらう※重要
  5. 1on1の実施し、1on1の記録を取る
  6. 内容を振り返る

1on1の実施方法は大きくこのような流れで実施されます。
この中でも、「話す内容・質問項目(アジェンダ)を部下に共有し、事前に記入してもらう」ことが非常に重要となり、1on1成功の重要なキーポイントとなっています。

事前に1on1で話す内容について共有することにより、話すことが明確になるだけでなく、目的に応じた1on1を実施できるため、建設的で効果的なコミュニケーションを取ることができるようになるからです。

また、1on1の記録を取ることも非常に重要です。
記録を蓄積することによって、部下の行動がデータとして残ることで、上司・マネージャーの方は正確で簡単に評価業務を実施することができるようになるためです。
また、部下の成長の過程が記録でき、会社内の人材育成などの人事施策へ活用することもできます。

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  • 1on1のスケジュールを何度も設定する
  • 毎回1on1のアジェンダを決めるのに時間がかかってしまう
  • 1on1の記録の管理が面倒くさい
  • 従業員がどんな1on1を実施しているのか把握できない

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まとめ

本記事では、よく間違えられる「1to1」と「1on1」の違いについて解説し、1to1マーケティングと1on1ミーティングのそれぞれの具体的な実践方法までご説明しました。

どちらもビジネスにおいて、非常に重要な用語となっていますので、違いを理解していただけましたら嬉しいです。

特に、1on1ミーティングは近年、急速に注目され始め、効果を実感している企業が多いです。
そのため、1on1ミーティングを実践していませんでしたら、ぜひチャレンジしていただけると嬉しいです。

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1to1と1on1の違いでよくある質問(Q&A)

1to1コミュニケーションとは何ですか?

1to1(one to one)コミュニケーションとは、1対1で行われるコミュニケーションのことを指しますが、日本では一般的に1対1で行われるマーケティング手法のことを指します。

1to1コミュニケーションと1to1マーケティングは、どちらも個々の顧客との直接的なコミュニケーションを重視する点で共通しています。
どちらも顧客のニーズや期待に応え、個人に合わせた対応をすることで、より効果的な関係構築を目指します。
本来であれば、1to1コミュニケーションはより広い意味でのコミュニケーション手法を、1to1マーケティングはそのコミュニケーション手法をマーケティングに応用した形と言えますが、日本においては1to1マーケティングとほとんど同じ意味で使われています。