導入事例

1on1で「緊急性は低いが重要性が高い」現場の会話を漏れなく拾えるようになった

株式会社同仁化学研究所
事業内容
各種試薬の製造販売
設立
従業員数
131 人(2020年度)
1on1で「緊急性は低いが重要性が高い」現場の会話を漏れなく拾えるようになった

<お話を伺った人>

総務部 採用担当 見汐 航太朗

やりがいを追求してほしいという信念から始まった1on1導入

まずはじめに、事業の概要・特徴についてお聞きしてもよろしいでしょうか?

試験・研究用の試薬の研究開発・製造・販売を行ってます。本社は日本の熊本にありますが、海外進出も行っていてドイツ・中国・アメリカにそれぞれ現地法人があります。

熊本発祥の中小企業でありながらも海外拠点を展開し、研究開発型のメーカーとして事業を行っております。

私どもにお話をいただいた当初から、海外企業と比較した組織風土や体制の違いにご関心をいただいておりましたが、事業内容とも大きく関係しているのでしょうか?

関係してますね。質問自体は私個人の関心によるものですが、会社が海外展開していなければ、そもそも考えすらしなかったと思います。加えて、社訓に「グローバルな探索」という項目があるので、そこにも影響は受けていますね。

各国が持っているスピード感や多様性を組織として上手く取り入れたいという思いは常にあります。

社内では会社が大事にしている経営理念・社是・社訓の3つは浸透しているんですね。

そうですね。正直、普段の活動の中で経営理念・社是・社訓を明確に意識した上で活動していることは少ないのですが、後で振り返ってみると会社に沿って行動していたなと感じることが多いですね。今後、より浸透していける活動を行いたいと考えております。

ありがとうございます。続いて、見汐さまの会社内での役割とその役割を全うするためにどのような目的意識を持って日々の業務に取り組まれているのかお教えいただけますでしょうか?

バックオフィス担当です。バックオフィスの業務は多岐に渡るのですが、私は人事採用・労務・購買・調達・経理・総務などバックオフィス全般を行ってます。

どの業務も等しく「誰に価値を発揮しているのかを日々考えること」「総務部ではなく自分がやった仕事といわれるようにオリジナリティを出すこと」の2つを意識して行っています。

バックオフィス担当とのことで、今回の1on1導入を主導されている形となりますが、1on1を導入することにいたった背景をお教えいただけますでしょうか?

1日の半分以上を過ごす会社を少しでも楽しく活気のある場所にしたかったためです。その実現のためには、改善につながるポジティブな意見が出てくる場が必要であり、まさに1on1がその場として適切だと考えました。

人間同士なので仕方ない部分もあるのですが、、、、

お互いの状況を完全に把握できているわけではないので、その理解不足により大きく解釈が変わってしまい、なんでそんなことになるんだろうと感じる場面がありました。しかし、誰ひとりとして会社を悪くしようとして活動をしている人はいないはずなので、1on1のような場を設け、同じ目標に向かって進んでいく土壌さえつくることができれば改善に向かうのでは?という仮説を持つようになりました。

加えてそもそもの話をすると、ここ数年会社として目的意識を持つ機運が高まっていたことがあります。ただ目的を意識しろといっても往々にして目的と手段を勘違いしてしまう、または、なぜそこまで目的の設定にこだわる必要があるかわからない、、、このような状況を解決するためにも様々な人と話す中で視点を増やし、視野を広げることにつながる1on1を行うことでポジティブな相乗効果が生まれるのではと考えました。

目的意識が高まったきっかけは何ですか?

いくつも要因はありますが、1つとして社会への貢献の中から、自身のやりがいを満たそうという考えが世の中でも主流となり、社内でも高まりつつあると感じてます。

まず、経営理念に「サイエンスの力で社会の発展に貢献し、人々の幸せを追求する企業であり続ける」が新たに加えられるなど、会社全体としても貢献を目指す方向性になっています。

その上で、単に自身に割り振られた業務範囲でやりがいを満たそうとするのでは無く、同仁化学が社会から評価された結果が、売上や利益という数値としての価値として、そして担当業務の範囲を超えた活動を通して、やりがいを得ようとする雰囲気の人が活き活きと働いていると感じてます。

個人的なきっかけは、私が技術部や開発部で働いている際に、化合物ができることで満足していました。その時にマーケティング部の方とお話して、自分が作ったものが世の中でこんなに役に立っていると知ったときに、であればこんなこともできる、こんなことがしたいと思うことがあり、一つ一つの仕事の価値はなんだろう、と考えるようになりました。今はバックオフィスで化合物としてではなく、仕組みや風土というアウトプットを出す立場になってもこれが何の役に立つだろう、それは目先の利益かそれともその人の夢や想いを長期的に応援できているか、ということを意識しています。これを意識している理由は、目的意識がないと結果的には成功と見えるような状況になってしまい、本来の目的が達せていないという状況になると考えているからになります。

1on1に必要なのは答えではなく考え続けること

現在、コチームと1on1やマネージャー研修をご活用いただいておりますが、ご採用いただいた理由は何でしょうか?

1番大きいのは、常に伴走いただけることです。1on1の課題はもちろんですが、それ以外の関係性が薄い話もトータルでできることが1on1を導入するにあたって非常に重要なポイントでした。1on1を導入することは基本的に組織風土の改善に近い活動だと思いますが、組織風土を見てもらうにあたって、様々な問題を見ていただけることは非常に大きかったです。

また、柔軟に計画を変更いただけることもあります。研修の際には、こちらの意図をくんで、前日でも軌道修正いただけるなど、臨機応変にご対応いただけたのが大きかったです。

普段のサポートにおいても、常に変化しつづける組織状況にあわせて1on1の行い方の柔軟な変更提案など、型にとらわれないサポートをしていただけたのも好印象でした。

サポート面以外に、ツールの機能面で重視されたことはございますか?

1on1と目標管理ができることを重視していましたが、それよりも継続的かつ柔軟なサポートがあることが大きかったので、あまり気にしてはいませんでしたね。

今現在も含め、1on1を実施することで、組織としてどういう姿を目指してますか?

1on1を通して全員が考え続ける風土をつくり、セクショナリズムを無くしたいです。業務を自分ごととして考える風土が出来上がることで、部署や個人単位での最適化してしまうことを減らしていきたいです。この根底には、社会人として自分の価値が社会から得ている売上(給料)に見合っている仕事をしているかという考え方をしています。「権利を主張する前に義務を果たす」考え方が必要だと思うのですが、1on1の中で考える時間を増やすことでお互いが義務を果たす流れが自然となっていくのかなと考えています。

ここまで実際に組織に1on1を導入してきたわけですが、その中で得られた成果を教えてください。

困った会話を1on1で行うという文化ができました。現場だけではなく経営層からもちらほら声が聞こえるように。これまでだと上手く拾い上げることができなかった、緊急度が低く重要度が高い話を漏れなく行うことができるようになってきました。

なるほど、会社の中で1on1が明確な立ち位置を築くなど、かなり導入は上手くいった印象でしたが、実際の導入において予想よりも上手くいった点はございますか?

意外とすんなり1on1をまずしてくださったことですね。やはり最初の一歩を踏み出すことが一番大変だと予想していましたが、すぐに受け入れてくれたのがありがたかったです。我々から呼びかけてもいつまでも1on1をやらないという事態が頻発するのかなと思っていましたが、研修の中では積極的に活用方法を質問するなど、現場メンバーが積極的に協力してくれたのが大変助かりました。

反対に、苦労したことはございますか?

こういった制度を導入する際に、明確な課題をつくり、なりたい姿をイメージしてそれを解決するツールとしてというのが一般的かと思いますが、今回はなりたい姿をイメージしつつも課題を明確にできていない状況で会社にトライをさせてもらいました。理由はやはり組織的な課題は自分ひとりだけでは明確にできなかったものの、やり出さないとそれを真剣に考えるきっかけにならないと思ったからです。そのため、色んな方に様々な意見をもらい、同仁化学としての1on1を考えていくということで1on1をすることが目的にならないようにすることに苦労しました。

また、良いアジェンダとは何かについても追求し続ける必要がありますね。コチームには自動で1on1にアジェンダが搭載される機能があるので、こちらが話して欲しいことはある程度話してもらえていますが、それでも上手く使いこなせないメンバーはどうしても出てくるので、そんなメンバーでも使いこなせるアジェンダを常に模索しています。

コチームの取り組みこそ、学校教育で取り入れるべき

今後予定されている、1on1周りの取り組みをご教授いただけますでしょうか?

まず、1on1をした具体的な成果が経営指標にあらわれているわけではないので、こちらを明確にしていきたいです。とりかかりとして、エンゲージメントサーベイを予定しています。

その上で、会社に誇りを持ってもらい、やりがいを感じてもらうための思考錯誤は継続していかなければと考えてます。誇りややりがいを感じる部分は、時代によっても人によっても変わるものなので、それを受け入れられる多様性を個人としても組織としても今以上に育んでいきたいです。

その実現に向けてぜひサポートさせていただければと思いますが、今後のコチームに期待されることは何ですか?

効率は悪いかもしれませんが、会社に対して1人親身に寄り添うことを崩さずに、ぜひ継続してほしいなと思ってます。

また、弊社のことではないですが、ぜひ学校教育にコチームのプログラムを導入してほしいですね。社会に出た後にコチームを使って相手の強みを承認することや目的意識を持つことの重要性を学んでもらうこともいいと思いますが、吸収力のある学生時代に学んでもらうことこそ、既存の暗記重視の学校教育よりも価値のある教育活動になるのではないかと考えています。採用される個人にとっても、採用する会社にとっても大事なことだと思いますね。

嬉しいお言葉ありがとうございます。学校以外の会社さんでしたら、どういった会社さんにコチームを推薦いたしますか?

特定の業種の企業というよりも会社の中に1人でも問題意識を持っているかどうかの方が重要だと思います。IT化が発展する中、効率化といえばIT化というような風潮になっておりますが、人が問題意識を持たないとIT化を具体的にどのようにというようなアイデアが浮かばないかと思います。時代の外的環境に適切に対応していくためにも各人が問題意識をもつことが大事と考えます。同時に、強い問題意識を持てば持つほど、コチームの導入は成功に近づきますし、全員の幸福につながると思います。

加えて、大企業の会社さんにこそぜひコチームを使って欲しいなと思ってます。確かに中小企業の方が運用を考えると楽にコチームを導入することはできると思いますが、相手の強みを承認することや目的意識を持つことは規模が大きい企業こそその力を発揮すると思います。

改めて、貴重なお話ありがとうございました。

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