MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を企業に浸透させる効果的なツール・方法を紹介!

MVVとは、ミッション(Mission)、ビジョン(Vision)、バリュー(Value)のことで、企業が持つ使命や経営理念、行動指針と呼ばれるものです。

MVVが重要視されるようになった背景には、現代の「VUCA」時代と言われている状況にあり、先の見えにくい事業環境にある中で、全社員が企業の進むべき方向を見失うことなく事業を進めることができるような状態である必要があるといえます。

そんなMVVが浸透することによって、企業の競争優位性が上がったりするなど様々な恩恵があります。MVVを効果的・効率的に浸透させるためにはツールや様々な方法を駆使すると良いでしょう。

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MVVが浸透することによるメリット

共通目的や共通言語ができる

MVVが浸透することで、MVV自体が企業内で共通目的や共通言語になります。

例えば、人事評価においてもMVVを基準に評価し、フィードバックを行うことで、社員が組織の求める方向に成長を促すことができるだけでなく、MVV自体が社員の行動を振り返るきっかけとなります。

また、あらゆる局面でどんな判断を下すべきか難しい時も、企業内にMVVが根付いていれば、自分たちの使命や目指すべき姿を見失うことはありません。

MVVが意思決定における判断・価値観の軸となり、社員一人ひとりが業務の中で日々行なっている意思決定を迅速かつ的確に行うことができるようになります。

社員のエンゲージメントが向上する

MVVで存在意義や価値観を明文化することで、企業全体で共通認識を持つことができ、指針に沿った経営判断や目標設定が可能になります。

また、同じ目標や価値観、企業文化を共有することで組織が同じ方向を向いてまとまることができるため、結果として社員のエンゲージメントが高まり、組織として一体感を醸成します。

自社の企業ブランディングの確立

MVVを明確にし、またそれを広く公開している企業は、MVVが世間から賛同・支持を得られた場合、ブランドが高く評価される可能性があります。

幅広いステークホルダーへ具体的な企業イメージを発信することができるだけでなく、社員一人ひとりがMVVを体現していることで、様々な側面から企業の魅力を伝えることができるようになるでしょう。

自社にマッチした採用・ミスマッチの防止

MVVを浸透させることで、新たに人材を採用する際に非常に役立ちます。

採用担当者の目線で考えると、MVV自体がその会社の持つ価値観となり、それにマッチする人材かどうかを判断する基準になります。そして真にMVVが浸透している組織であるならば、採用担当者自身もMVVを体現しているため、採用担当者の感覚でも十分にマッチする人材を見極めることができます。

そのように、共通認識を基準に採用することで入社後のミスマッチを防ぐことができます。

求職者の目線で考えると、MVVが明確であるため、MVVに賛同した人材が自然に集まるようになります。そして、そのように価値を感じて入社した人は組織への愛着が高く、エンゲージメントが高いまま働き続けてくれるでしょう

MVV浸透させるための5STEP

STEP1:MVVを理解する

社員がMVVの内容や言葉の意味を頭で理解している段階です。

この段階では、MVVの内容自体に焦点が当てられ、「なぜこのMVVになったのか」「MVVの意味していること内容を具体的にイメージする」ことが重要になってきます。

MVVを理解するために、新入社員研修時にMVV研修を導入したり、MVVについての社内報を出すのも方法としてあるでしょう。

STEP2:MVVに共感する

社員がMVVに描かれている姿で目指したい、やりたいイメージを持っている段階です。

この段階では、MVVに対する社員の納得感が重要になります。社員の納得感を生むには「なぜそのMVVに決めたのか」などの決断の背景を共有することが大切です。大事にしたこと、あえて捨てたことなどの判断基準を、あらためて示すよう心がけましょう。

また、そのMVVは「自分の未来にどう関係するのか」を具体的にイメージさせることで、MVVを推進する上での会社と社員の目的につながります。

MVVへの共感を生み出す施策としては、経営層が現場を回るタウンミーティングや、そうした背景の共有・共感に重きを置いた浸透研修などがあるでしょう。

STEP3:MVVを実現するための具体的な行動をイメージする

社員がMVVに書かれていることを実現するために「自分は何をすればいいのか」の具体的な行動をイメージできている段階です。

MVVにつながる現状のよい動きや、変化の小さな兆しを抽出することが重要です。MVVを実現している「よい仕事」の事例収集・共有を現場を巻き込みながら行うことで、社員自身が自らの仕事とビジョンの接点を発見し、具体的な行動をイメージすることができます。このことを定期的に行い続けることで「MVVに沿った行動=よい仕事」にイメージを変えることができます。

具体的には、MVVに沿った行動の事例紹介を行ったり、マネージャー層が積極的に褒めのフィードバックを行うことが考えられるでしょう。

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STEP4:イメージした行動を実践する

社員がMVVにつながることを実際に行動できている段階です。

STEP3でもあったようなMVVにつながる行動を「よい仕事」として取り上げたりすることによってMVVにつながる行動をイメージさせやすく、取り組みやすくする環境を作ることが大切です。

加えて、この段階では「よい仕事」を行った人に対して評価を行うことも重要になってきます。1on1を通じての上司からのフィードバックを行ったり、部内で「よい仕事」を共有したりすることで、MVVにつながる行動をとることを促進することができます。

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STEP5:行動によって成果が生まれる・評価される

社員の取ったMVVにつながる行動が、成果を生み出したり、評価されたりする段階です。

MVVにつながる行動やそれが生み出した成果に対しては、それにふさわしい評価が必要です。そのために、社員が実際に行動に移せるような具体的な評価項目を用意したり、さらにより効果的に行うための育成施策も重要になってきます。

例えば、MVVにつながる行動の要素を評価制度や目標設定、人材要件、育成体系などへの反映などが挙げられます。自社のMVV実現に照らした際に、人事施策とMVVとの整合が取れているか、という視点で点検しておくことは非常に重要です。

社員の段階を見極め、適切な施策を行うことによって、MVVが浸透し、MVVが文化となって企業の個性や競争優位性につながるのです。

MVVの浸透にツールを使うメリット

これまでは、MVV浸透の流れについて説明してきました。MVVの浸透は長い道のりで、時間がかかるものでしょう。
そこで期待できるのが、ツールの活用です。MVVの浸透に適したツールを用いることにより、MVVの浸透が促進されることでしょう。ここでは、MVVの浸透にツールを使うメリットについて説明していきたいと思います。

MVVにつながる、評価されるべき行動が可視化される

社員がMVVにつながる行動をとることがとても重要であることは前述の通りです。社員の良い行動を促進させるために、評価制度からMVVにつながる行動を社員にイメージしてもらう必要があります。

そのために、日々の業務での上司から部下へのフィードバック等が、MVVにつながるという評価軸で話されることは重要で、評価そのものをフィードバック時に表示したり、上司がどのようにフィードバックするべきかおすすめする機能があるツールもあります。

仮に、MVVの内容を正確に理解していなくても、ツールの活用方法次第で自然と理念に即した行動に誘導することも可能です。

設定したMVVを普段の業務の中でできる行動に落とし込み、身近なものとして触れる機会を増やしていけば、確実に社員に浸透していきます。
MVV浸透に適したツールは情報の一元管理ができ、管理画面で社員ごとの利用状況やどのような行動を取ったのかを確認できます。

また、MVVにつながる行動をあまりしていない社員を把握し、個別に面談や指導を行えば、効率良く理念の浸透を促す施策も取りやすくなるでしょう。

社員の誰でも経営理念に触れる機会を提供できる

リモートワークやテレワーク、フレックスタイム制など多様な働き方が普及してきた現代では、社員と顔を合わせる機会が少なく、以前のように密にコミュニケーションを取れないことも珍しくありません。

この点、MVV浸透に適したツールは距離や場所にかかわらず使用できるものが多いです。フルリモートワークを採用している企業でもすべての社員にMVVの浸透の施策を行えるので、社員のエンゲージメントを高め、MVV浸透が促進されるでしょう。

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納得感のある評価制度が運用できる

ツールを使うことによってMVVにつながる行動が可視化できるので、その行動に対する評価も社員の納得を得られやすいものになるでしょう。

事前に、何が評価されるのかが明らかになっているため、人事評価後の振り返り・フィードバックでも社員の納得がいく評価を一律に行えることが非常に強みです。

アデコ株式会社が発表した『「人事評価制度」に関する意識調査』では、人事評価に対する不満の1位は「評価基準が不明確」(62.8%)で、次いで「評価者の価値観や業務経験によって評価にばらつきが出て、不公平だと感じる」(45.2%)、「評価結果のフィードバック、説明が不十分、もしくはそれらの仕組みがない」(28.1%)となっています。

この結果から、人事評価制度自体に不満を持っている社員は少なく、人事評価制度の運用に不満を持っている社員が大多数であることがわかります。

評価制度そのものよりも、評価の基準や合理性など評価制度の運用が非常に重要であることがわかります。
ツールを使うことによって、MVVにつながる行動が可視化できるので、納得感のある評価制度を運用できるようになります。

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事例から学ぶMVV浸透の工夫

ここからは、MVV浸透のエッセンスを得るために、弊社が伴走してMVV浸透が成功した企業の事例について見ていきましょう。

MVVの浸透で成約率が20%→50%に! / 株式会社Merone

Merone導入事例紹介

株式会社Merone(以下、Merone)は、アパレル業界などの廃棄品を活用して自宅にいながら収入を得られるという、主に女性の自立支援を行っている企業です。また、そのビジネスモデルで収益を得るためのノウハウを教えるビジネススクールの運営も行っています。

Meroneは、MVVを策定したタイミングで、MVVを浸透させるべく弊社の「Co:TEAM(コチーム)」を導入しました。策定のタイミングのメンバーの様子は「MVVとはなんぞ?」という状態だったようです。

そのような中、「1on1」を実施し、MVVとメンバー個人の目標についてのすり合わせを行いました。また、MVV、特にバリューと日々の業務を振り返ることができる独自のアジェンダの作成も行いました。

その取り組みで大きく変わったことは、以下の2点です。

・事業全体の成長とメンバーそれぞれの「やりたいこと」が揃うようになった
・メンバーが自発的に会社・顧客にどのように貢献するのか考えるようになった

1on1を多い人で週に1回、少なくとも月に1回は行うようにしているそうです。そのような高頻度の1on1を実施することにより、MVVとメンバー個人の「やりたいこと」を結びつけたり、MVVの考え方や日々の業務との結びつきを感じられるようになりました。

加えて、MVVを評価制度に反映させ、実際にMVVに沿った行動をすることで人事評価を向上させるという仕組みも取り組み始めたようです。

このような1on1の実施や、人事評価制度へMVVを反映させることにより、メンバーのMVVの理解・愛着が進み、エンゲージメントが高まることによって、成約率が20%→50%・売上180万円アップしたのメンバーが見られるようになったようです。

株式会社Meroneの成功秘話についてはコチラの記事をご覧ください!


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MVV研修導入で創業70年の老舗中小企業がミッション経営の実現へ / 株式会社フクナガエンジニアリング

株式会社フクナガエンジニアリング(以下、フクナガエンジニアリング)は、フレコンバッグという運搬用の袋や車両に使われるノーパンクタイヤを製造・販売している創業70年の企業です。

MVV策定に至った背景は、「事業の意味が徐々に薄れているのを社員みんな感じていて、事業としての意味づけが欲しい」と思ったからだそうです。

つまり、組織全体のエンゲージメントを高めるためにもMVVが必要だと感じていたようです。

そして、MVVを策定する際の研修やワークショップには、経営層だけでなく、マネージャーも参加しました。このように現場のメンバーを巻き込んでMVVを策定することにより、メンバーが納得できるMVVを策定することができます。

つまり、MVV研修を導入することで、MVVの策定と浸透を同時並行で行うことができるのです。

全員が納得できるMVVを作り終えたことで、事業の意味が明確になっただけではなく、自然とMVVとメンバー個人の夢を結びつけるようになったそうです。
また、研修・ワークショップを通して、マネージャー層の心理的安全性が上がり、積極的に自分の意見を発言するようになったそうです。

株式会社フクナガエンジニアリングの成功秘話についてはコチラの記事をご覧ください!

MVVを浸透させる工夫・施策

ここからは事例を踏まえて、MVVを浸透させる工夫や施策について説明していきます。

1on1を実施する

MVVを浸透させるのに効果的な施策の1つに「1on1」を導入することがあります。近年は、短期的に上司と部下で振り返り、フィードバックを行う「パフォーマンス・マネジメント」が注目されてきたこともあり、1on1を導入する企業が増えてきています。

1on1を導入することにより、MVVそのものについて対話する機会を作ったり、MVVを基にして日々の業務を振り返ることができるため、社員がMVVにつながる行動を取りやすくなります。

また、人事評価の際も日々の1on1で納得のいくフィードバック等が受けられるため、社員が納得いく評価を行うこともできるでしょう。

上司は普段からMVVについてや人事評価について意識する頻度が増加するため、MVVの理解が深まり、それを実現するために自分はどうしたらいいのか、部下にはどのような声掛けが必要かなど思考を誘発する効果が期待できます。

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MVVを評価制度に組み込む

MVV自体を評価制度に組み込むことも有効な施策です。

MVVを実現するために必要な行動を取る人を理想の人材だと設定し、その特徴や要素、具体的な行動を抽出して、評価項目に導入すると良いでしょう。

また、現状の評価制度を大きく変更することなく、評価制度のどの部分がMVVの実現につながるのかを明確にして、社員に伝え、共有することも効果的でしょう。

MVVを理解するための研修の導入

社員がMVVについて理解度が低ければ、研修を実施することも良い手段です。

例えば、自分たちでMVVに関する研修を作ることでMVVへの理解が深まる他に、MVVに対して愛着を持つことができるようになります。この取り組みは、JAL(日本航空)で実践されている事例です。

社内で内製することがまだ難しい場合は、MVV研修を外注することも一つの手です。

MVV研修を外注することで、MVVに対する社員の理解を効果的に深めることができ、自社のMVVを実現するために具体的にどのような取り組みをすればいいのかについてまで、社員が考える研修を導入することができるでしょう。

まとめ

今回は、MVVの浸透にツールを用いることの効果や事例、その方法について説明してきました。

私たちのサービスの利用企業様を見たことから言えることは、MVV浸透にツールや研修を用いることで、早く深くMVVを浸透させることができるということです。

「MVVを浸透させたい」「MVVを策定したい」「MVVを評価制度に反映させたい」などのお悩みをお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください!
お話だけでもきっとお役に立てると思います!

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