営業ロープレで新人を即戦力にする進め方|評価シート例・題材付き

▼ この記事の内容

新人営業のロープレは、商談プロセス別の題材設計・3段階の習熟度別プログラム・評価シートによるフィードバック標準化の3要素をそろえることで成果につながります。逆に、この3要素が欠けたまま回数だけ重ねても戦力化は進みません。本記事では、明日から使える設計手順・題材・評価基準を具体例とともに提示します。

新卒・中途を問わず、新人営業の早期戦力化は営業組織の最重要課題です。配属直後の商談同席だけでは学習効率が低く、初回商談で失注を重ねれば本人の自信も組織の数字も削られます。

しかし、いざロープレを導入しようとすると「何を題材にすればいいのか」「評価基準をどう設定するのか」「誰が指導しても同じ品質で回せるのか」と手が止まるマネージャーは少なくありません。トークスクリプトを渡して場数を踏ませたものの、本番では想定外の質問に沈黙してしまった。そんな経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

この記事では、新人の習熟度に応じたロープレ設計から、プロセス別の題材・シナリオ、そしてフィードバックを標準化する評価シートまで、体系的な仕組みとして整理しています。

読了後には、自社の営業プロセスに合わせたロープレプログラムの骨格ができあがり、来週の新人研修から運用を開始できる状態になっているはずです。


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新人営業のロープレが成果につながる条件とは

ロープレの効果は「やるかやらないか」ではなく「どう設計するか」で決まります。新人が本番で再現できるロープレにするために、まず押さえるべき前提条件を整理します。

営業ロープレとは?新人育成における役割と定義

営業ロープレとは、実際の商談場面を想定し、営業担当者役と顧客役に分かれて商談の流れを模擬的に練習するトレーニング手法です。新人育成においては、座学で学んだ知識を「話せるスキル」に変換する最初の実践機会として位置づけられます。

新人がロープレで得られる最大の価値は、失敗を安全な環境で経験できる点にあります。本番の商談で顧客の反論に詰まれば失注につながりますが、ロープレであればその場でフィードバックを受け、次の練習で修正できます。仮に月1件しか商談機会がない新人でも、ロープレなら1日に複数回の商談体験を積めます。

たとえば、SaaS企業に配属された新人営業であれば、初回接点からヒアリング、提案、クロージングまでの各フェーズを分解し、フェーズごとにロープレで練習することで、商談全体の流れを体得できます。座学でBANT条件を学んだだけでは、実際の商談で自然に質問を組み立てることは困難です。

ロープレを単なる「練習の場」ではなく「本番の商談品質を事前に検証する場」として設計することが、新人の早期戦力化における分岐点になります。この設計の具体的な方法は、次のセクションで扱う実施率データとあわせて確認していきます。

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成長企業の69.8%がロープレを実施している理由

3期以上連続で増収している企業の69.8%が、営業研修の一環としてロープレを実施しています(出典:モノグサ「成長企業の営業研修に関する実態調査」2024年)。同調査では、ロープレ実施企業が実感している効果として「商品・サービスへの理解・説明力の向上」が51.4%、「提案数の向上」が50.0%と続きました。

この数字が示しているのは、成長企業ほど「営業力は個人の才能ではなく、仕組みで伸ばせる」と捉えている点です。ロープレは属人的なスキルを組織の共通言語に変換する装置であり、新人が先輩の商談ノウハウを短期間で吸収するための最も効率的な手段といえます。

ただし、69.8%の企業がロープレを実施している一方で、成果につながっていないケースも存在します。次のH3では、新人ロープレが失敗する典型パターンを掘り下げます。

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新人ロープレが失敗する3つのパターンとその原因

新人ロープレが成果につながらない原因は、指導者の力量ではなく仕組みの欠陥にあります。失敗パターンは大きく3つに集約されます。

1つ目は「題材が本番とかけ離れている」パターンです。汎用的な商談シナリオでロープレを行っても、自社の商材や顧客の業界特性が反映されていなければ、新人は本番で応用できません。製造業向けのSaaSを扱う企業であれば、製造業特有の稟議プロセスや導入障壁をシナリオに組み込む必要があります。

2つ目は「フィードバック基準が人によって違う」パターンです。マネージャーAは「もっと笑顔で」と言い、マネージャーBは「論理的に話せ」と指摘する。新人は何を優先すべきか混乱し、結果として中途半端な改善しかできません。評価軸が統一されていないロープレは、回数を重ねるほど新人の混乱が深まります。

3つ目は「実施頻度と振り返りのバランスが崩れている」パターンです。週5回ロープレを実施しても、毎回のフィードバックが「もう少し頑張ろう」程度であれば改善は進みません。逆に、月1回の実施では前回の学びが定着する前に忘れてしまいます。

以下の表で、3つの失敗パターンとその具体的な症状、対策の方向性を整理します。

失敗パターン典型的な症状対策の方向性
題材が本番とかけ離れている本番で想定外の質問に沈黙する自社の商談データからシナリオを設計する
フィードバック基準がバラバラ新人が何を改善すべきか混乱する評価シートで採点項目を統一する
頻度と振り返りのバランス不良やった感だけで成長が停滞する週2〜3回+毎回の構造化フィードバック

この3つの失敗パターンは、いずれも設計段階の問題です。指導者個人の力量に依存しない仕組みを先に整えることで、誰がロープレを運営しても一定の品質を担保できます。次のセクションでは、この仕組みの具体的な設計手順を解説します。

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新人の成長段階に合わせたロープレの進め方

新人の習熟度を無視して一律のロープレを実施しても、学習効率は上がりません。設計、段階分け、役割分担の3つを事前に決めることで、成長スピードが変わります。

新人の営業育成全般の考え方については、こちらの記事で体系的に解説しています。

また、ロープレのやり方をさらに深掘りしたい方は、こちらの記事もあわせてご確認いただけます。

ロープレ実施前に決めるべき3つの設計要素

ロープレの成果は、実施前の設計で8割が決まります。事前に固めるべき要素は「ゴール設定」「トークスクリプトの準備」「評価基準の統一」の3つです。

1つ目のゴール設定では、「何ができるようになればこのロープレは合格か」を具体的に定義します。「ヒアリングができるようになる」では曖昧すぎるため、「BANT条件の4項目を15分以内にすべて確認できる」のように、行動レベルで記述するのがポイントです。

2つ目のトークスクリプトは、ロープレの土台となる台本です。ただし、スクリプトを一字一句暗記させるのではなく、「この場面ではこの情報を引き出す」という目的と質問の型を示すことが重要です。新人は最初にスクリプトの流れを体得し、慣れてきたら自分の言葉でアレンジする段階に移行します。

3つ目の評価基準は、フィードバックの属人化を防ぐ仕組みです。「声の大きさ」「質問の数」「顧客の課題を引き出せたか」など、観察可能な行動項目を5〜7個に絞り、評価シートとして共有します。採点者が変わっても同じ観点で評価できるため、新人が受けるフィードバックの一貫性が保たれます。

この3つの設計要素を事前に整えたうえで、次は新人の習熟度に応じた段階設計に進みます。

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新人の習熟度に応じた3段階のロープレ設計

新人のロープレは、「型の習得」「応用練習」「実戦シミュレーション」の3段階で設計するのが効果的です。段階を飛ばして応用練習から始めると、基礎が固まっていないまま応用力だけを求められ、新人が萎縮する原因になります。

第1段階の「型の習得」では、トークスクリプトに沿って商談の流れを一通り再現することをゴールにします。この段階では、顧客役はシナリオどおりに応答し、想定外の反論は出しません。新人が商談の「正解ルート」を身体に染み込ませることが目的です。期間の目安は配属後1〜2週間です。

第2段階の「応用練習」では、顧客役が意図的に想定外の質問や反論を挟みます。「予算はまだ確保していないのですが」「競合のA社と何が違うのですか」といった切り返しを練習し、スクリプトから外れた場面での対応力を鍛えます。

この段階で初めてSPIN話法(状況・問題・示唆・解決質問の4段階で顧客の潜在ニーズを引き出す手法)やBANT(予算・決裁者・ニーズ・導入時期の4条件を確認するフレームワーク)を意識的に使う練習を取り入れるとスムーズです。

第3段階の「実戦シミュレーション」では、実際の商談データをもとにしたシナリオでロープレを行います。過去に失注した案件の商談録を題材にし、新人が同じ場面をどう乗り越えるかを検証します。この段階は配属後3〜4週目が目安です。

各段階のロープレ設計を、以下の表で整理します。

段階期間目安ゴール顧客役の難易度
第1段階:型の習得配属後1〜2週スクリプトどおりに商談を完走できるシナリオどおりに応答
第2段階:応用練習配属後2〜3週想定外の質問に自分の言葉で切り返せる意図的に反論を挟む
第3段階:実戦シミュレーション配属後3〜4週実案件ベースの商談を一人で回せる実データに基づくリアルな応答

「3段階も設計する時間がない」と感じる方もいるでしょう。しかし、段階設計なしに場数だけ踏ませた場合、新人の初受注までの期間はかえって長引く傾向があります。最初の2週間に型を固めることが、結果的に戦力化を加速させます。次は、3人1組の役割分担と時間配分を具体的に見ていきます。

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3人1組の役割分担と1回あたりの時間配分

ロープレは3人1組で実施するのが最も効率的です。営業役、顧客役、そしてオブザーバー(観察者)の3つの役割を設け、1回あたり20〜30分で完結させます。

営業役は新人が担当し、顧客役は先輩営業またはマネージャーが務めます。オブザーバーは評価シートをもとに営業役の言動を観察し、ロープレ終了後にフィードバックを行う役割です。オブザーバーを置く最大のメリットは、顧客役が演技に集中でき、評価の客観性が保たれる点にあります。

1回あたりの時間配分は、ロープレ本体10〜15分、フィードバック5〜10分、改善点の整理と次回目標の設定5分が目安です。合計20〜30分に収めることで、朝会や昼休み後の時間帯でも無理なく実施できます。

たとえば、5名の新人チームであれば、2組に分けて同時進行し、残り1名はいずれかの組のオブザーバーに入ります。全員がオブザーバーを経験することで、「観察する力」も同時に育ちます。営業マネージャーが50名規模の部門を率いている場合でも、ペア編成を工夫すれば週2〜3回の実施は十分に可能です。

役割を固定せずローテーションすることも大切です。新人が顧客役を経験すると、「顧客はこういう質問をされると答えにくい」という視点を獲得でき、自分の商談トークの改善点に気づきやすくなります。次のセクションでは、営業プロセスごとの具体的なロープレ題材に進みます。

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プロセス別|新人向けロープレの題材とシナリオ例

ロープレの題材は、自社の営業プロセスに沿って設計することで本番との乖離を最小化できます。テレアポ、ヒアリング、提案・クロージングの3フェーズに分けて、それぞれの題材と評価ポイントを具体的に示します。

ロープレの題材設計をさらに深掘りしたい方は、こちらの記事で網羅的に解説しています。

テレアポ・初回接点のロープレ題材と評価ポイント

テレアポのロープレでは、「最初の15秒で相手の関心を引き、アポイント獲得につなげる」ことをゴールに設定します。新人が最初につまずくのは、受付突破と用件の端的な伝え方です。

題材の具体例として、以下のシナリオが実用的です。顧客役は「従業員300名の製造業、情報システム部門の担当課長。現在は他社ツールを利用中で、特に不満は感じていない」という設定にします。新人はこの相手に対して、自社サービスの価値を30秒以内に伝え、15分のオンライン面談を獲得することを目指します。

評価ポイントは「自社名と氏名を名乗れているか」「相手の業界に合わせた課題提起ができているか」「アポイントの日時を2択で提示できているか」「断られた際に一度だけ切り返せているか」の4点に絞ります。新人は多くの項目を同時に意識できないため、1回のロープレで評価する項目は4〜5個が上限です。

「テレアポのロープレは電話慣れすれば不要では」と感じる方もいます。しかし、テレアポは商談の入口であり、ここでのトーク品質がその後の商談化率を左右します。仮にテレアポから商談化する率が10%から15%に改善するだけでも、月間のパイプラインには大きな差が生まれます。

テレアポの基本が身についたら、次はヒアリングのロープレに進みます。商談化した後に「何を聞くか」が新人の成約率を決める鍵です。

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ヒアリング・課題深掘りのロープレ題材と評価ポイント

ヒアリングのロープレでは、「顧客が自覚していない潜在課題を言語化させる」ことをゴールに設定します。新人が陥りがちなのは、表面的なニーズだけを聞き取って提案に移ってしまうパターンです。

題材の具体例として、以下のシナリオを使います。顧客役は「従業員100名のSaaS企業、営業マネージャー。新人の育成に時間が取れず、OJTが機能していないと感じている」という設定です。ただし、具体的にどこがボトルネックかは言語化できていない状態にします。

新人はSPIN話法を活用し、状況質問から問題質問、示唆質問へと段階的に深掘りします。

たとえば、営業役が「現在の新人育成はどのように進めていますか」(状況質問)から入り、「育成の中で特に課題を感じている場面はありますか」(問題質問)に展開し、「その課題が続くと、チーム全体の数字にどのような影響がありそうですか」(示唆質問)へとつなげます。この流れを15分以内で完結させることを目標にします。

評価ポイントは次のとおりです。

  • BANT条件(予算・決裁者・ニーズ・導入時期)のうち3項目以上を確認できたか
  • 顧客の回答を受けて深掘り質問を展開できたか(質問が一問一答で終わっていないか)
  • 顧客の発言を要約し、認識のずれがないか確認できたか
  • 自社サービスの説明に入る前に、課題の合意を取れたか

ヒアリング力は新人が最も成長に時間がかかるスキルです。週2回のロープレを3週間継続すると、質問の組み立て方に明確な変化が現れます。ヒアリングで課題を深掘りできるようになったら、次は提案・クロージングのロープレに進みます。

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提案・クロージングのロープレ題材と評価ポイント

提案・クロージングのロープレでは、「ヒアリングで引き出した課題に対して、自社サービスの価値を論理的に結びつけ、次のアクションを合意する」ことをゴールにします。新人が苦戦するのは、機能説明に終始して顧客の課題解決にひもづけられない点です。

題材の具体例として、以下のシナリオを使います。顧客役は「前回のヒアリングで、営業チームの新人が初受注までに平均6ヶ月かかっていることが課題と判明。導入予算は年間300万円以内」という設定です。

決裁者は営業本部長で、来月の役員会議で提案したいと考えています。新人はこの情報をもとに、10分間のミニプレゼンと5分間のクロージングを行います。

評価ポイントは以下の4点です。

  • 顧客の課題を冒頭で再確認し、提案の前提を合意できたか
  • 機能説明ではなく、課題解決のストーリーとして提案できたか
  • 想定される反論(価格・競合比較・導入工数)に対して根拠を示して切り返せたか
  • 次のアクション(見積もり提出日、デモ実施日など)を具体的な日時で合意できたか

たとえば、顧客役が「競合のB社のほうが安いのですが」と反論した場合、新人が「たしかに月額費用はB社のほうが低いです。ただ、御社の課題である新人の早期戦力化に対しては、弊社の○○機能が直接的な解決策になります」と切り返せるかどうかが評価の分かれ目です。

ここまでのロープレ題材を自社向けにカスタマイズしたい方は、テンプレートを活用すると設計工数を削減できます。 [CTA:新人向けロープレ題材テンプレートを無料ダウンロード]

題材と評価ポイントが固まったら、次はフィードバックの型と評価シートの具体項目を見ていきます。

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新人ロープレの評価基準とフィードバックの型

ロープレの成果はフィードバックの質で決まります。評価基準を明文化し、誰がフィードバックしても同じ観点で改善点を伝えられる仕組みをつくることが、新人の成長速度を安定させる鍵です。

新人向けロープレ評価シートの具体項目

新人向けのロープレ評価シートは、「商談プロセス×行動項目」のマトリクスで設計するのが最も実用的です。プロセスごとに3〜5項目を設定し、各項目を3段階(できた/一部できた/できなかった)で採点します。

評価シートに盛り込むべき項目を、プロセス別に整理すると以下のとおりです。

商談プロセス評価項目観察のポイント
テレアポ自己紹介の端的さ15秒以内に名乗り+用件を伝えられたか
テレアポ課題提起の的確さ相手の業界に合った課題を提示できたか
テレアポアポ打診の具体性日時を2択で提案できたか
ヒアリング質問の展開力一問一答ではなく深掘りできたか
ヒアリングBANT確認4項目中3項目以上を確認できたか
ヒアリング要約・確認顧客の発言を要約し、合意を取れたか
提案課題との接続機能説明ではなく課題解決で語れたか
提案反論への切り返し根拠を示して対応できたか
クロージング次アクションの合意具体的な日時で合意できたか

※図解:比較表(プロセス別×評価項目マトリクス)を上記テーブルで代替

このシートを使う際の注意点が1つあります。新人に全項目を一度に意識させると、かえってパフォーマンスが下がります。習熟度の第1段階ではテレアポの3項目だけ、第2段階でヒアリングの3項目を追加、というように段階的に評価項目を増やすのが効果的です。

ロープレ評価シートのより詳細な設計方法については、こちらの記事で解説しています。

評価シートがあっても、フィードバックの伝え方が雑であれば新人の行動は変わりません。次は、フィードバックで使うべき具体的なセリフ例を見ていきます。

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フィードバックで使うべきセリフ例とNGワード

フィードバックは「良かった点→改善点→次回の具体的な行動目標」の3ステップで伝えるのが基本です。新人の成長を加速させるのは、抽象的な指摘ではなく「次に何をすればいいか」が明確な言葉です。

良いフィードバックの具体例を挙げます。「ヒアリングの冒頭で相手の状況を確認できていた点は良かったです。改善点としては、相手が『予算は未定です』と答えた場面で深掘りせずに次の質問に移っていました」。

「次回は『予算の検討はいつ頃から始まりますか』と1つだけ追加質問を入れてみましょう」。このように、場面を特定し、具体的な行動を1つだけ提示するのがポイントです。

一方で、避けるべきNGワードがあります。「もっと頑張って」は改善の方向性が不明です。「自分が新人の頃は〜」は比較になり萎縮を招きます。「全体的にダメだった」は全否定であり、新人が次に何をすべきかわかりません。以下にOKとNGの対比を示します。

  • OK:「この場面で○○ができていた。次は△△を試してみましょう」
  • NG:「もっと自信を持って話して」(具体的な行動が不明)
  • NG:「なんでここで黙っちゃったの?」(責めるニュアンスが強い)
  • NG:「まあ、慣れれば大丈夫だよ」(改善点のフィードバックがない)

「フィードバックに時間をかけすぎると本業に支障が出るのでは」という懸念は当然です。しかし、1回のフィードバックで伝える改善点を1〜2個に絞れば、5分以内で完結します。改善点を絞ることは、新人の集中力を高める効果もあります。

フィードバックの具体的な伝え方をさらに掘り下げたい方は、こちらの記事でフレーム別の解説をしています。

個々のフィードバック品質を高めたうえで、組織としてフィードバックの属人化を防ぐ仕組みも整えておく必要があります。

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フィードバックの属人化を防ぐ仕組みづくり

フィードバックの属人化を防ぐ最も確実な方法は、評価シートの運用ルールを組織で統一することです。評価シートが存在していても、採点基準の解釈が人によって異なれば属人化は解消されません。

具体的な対策として、まず「評価基準のキャリブレーション(すり合わせ)」を月1回実施するのが有効です。マネージャー同士が同一のロープレ動画を視聴し、各自が評価シートで採点したうえで結果を比較します。

採点にばらつきがあった項目について議論し、基準を再定義します。たとえば「質問の展開力」の項目で、Aマネージャーは「3回以上深掘りしたらOK」、Bマネージャーは「顧客の潜在課題を言語化できたらOK」と解釈していた場合、どちらの基準を採用するかを全員で合意します。

次に、フィードバックの記録を蓄積する仕組みも重要です。ロープレ後のフィードバック内容をスプレッドシートや専用ツールに記録し、新人ごとの改善推移を可視化します。これにより、担当マネージャーが変わっても過去の指導履歴を引き継げます。

フィードバックの標準化は、ツールの力を借りることでさらに効率化できます。AIが商談の録画データを自動で分析し、改善点を客観的なスコアで提示すれば、マネージャーの主観に左右されないフィードバックが実現します。


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ここまで、対面ロープレを中心とした設計・運用の方法を解説してきました。次のセクションでは、AIを活用したロープレの新しいアプローチを紹介します。

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形骸化させない|AIを活用した新人ロープレの新常識

対面ロープレの限界を補い、練習量と品質を同時に引き上げる手段としてAIロープレが注目されています。対面とAIの使い分けを押さえることで、ロープレの形骸化を防げます。

AIロープレで解決できる3つの課題

AIロープレが解決するのは、「練習量の不足」「フィードバックの属人化」「練習と本番の乖離」の3つの課題です。いずれも対面ロープレだけでは構造的に解消しにくい問題です。

1つ目の練習量の不足について、対面ロープレは先輩やマネージャーの時間を確保する必要があるため、実施回数に物理的な上限があります。AIロープレであれば、新人が自分の都合に合わせて何度でも練習でき、相手の時間を奪う心理的負担もありません。

2つ目のフィードバックの属人化について、AIは毎回同じ基準でスコアリングを行うため、評価のブレが発生しません。コチームのAIロープレでは、自社の商談データから顧客役を再現し、新人が苦戦した場面を自動で練習メニューに反映する仕組みを備えています。

3つ目の練習と本番の乖離について、AIが実際の商談データを学習することで、架空のシナリオではなくリアルな顧客反応を再現できます。

コチームでは、商談分析から抽出した成功パターン(勝ちパターン)をロープレのシナリオとリアルタイムナビゲーションの両方に反映し、練習で身につけたスキルがそのまま本番で活きる一貫した支援を行っています。

AIロープレの詳細な機能比較については、こちらの記事で解説しています。

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AIロープレと対面ロープレの使い分け

AIロープレと対面ロープレは、「基礎練習はAI、応用練習は対面」の使い分けが最も効率的です。すべてをAIに置き換えるのではなく、それぞれの強みを活かす設計が成果を最大化します。

AIロープレが向いているのは、トークスクリプトの反復練習、基本的な質問の組み立て、切り返しの型の習得といった「正解がある練習」です。一方、対面ロープレが向いているのは、顧客の微妙な表情の変化を読み取る練習、複数の意思決定者が同席する場面のシミュレーション、商談の空気感を体得する練習といった「正解がない練習」です。

AIロープレと対面ロープレのより詳細な比較とツール選定については、こちらの記事もあわせてご確認いただけます。

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よくある質問

営業ロープレは本当に意味があるのか?

営業ロープレは、題材・評価基準・フィードバックの3要素が設計されていれば確実に成果が出ます。成長企業の69.8%がロープレを実施しており、実施企業の半数以上が説明力や提案力の向上を実感しています。意味がないと感じるケースは、設計不足が原因です。

ロープレの効果に疑問をお持ちの方は、こちらの記事で詳しく解説しています。

新人のロープレは週に何回実施すべきか?

新人のロープレは週2〜3回、1回20〜30分の実施が最も効率的です。週1回では前回の学びが定着せず、週5回ではフィードバックの消化が追いつきません。各回で改善点を1〜2個に絞り、次回までに意識して練習する時間を確保するのがポイントです。

ロープレで新人が萎縮してしまう場合の対処法は?

新人の萎縮は、ロープレが「評価の場」になっていることが原因です。対処法は「フィードバックで必ず良かった点から伝える」「改善点は1回につき1つだけに絞る」「失敗を責めず、次の行動を一緒に決める」の3つです。心理的安全性を確保する仕組みが萎縮を防ぎます。

まとめ

新人営業のロープレは、題材設計、習熟度に応じた段階設計、評価シートによるフィードバック標準化の3つを仕組みとして整えることで、指導者が変わっても一定品質で運用できます。特に、商談プロセス別に題材と評価項目を具体化することが、練習と本番の乖離を埋める最大のポイントです。

評価基準の属人化を防ぎ、新人一人ひとりの弱点に合わせた練習メニューを効率的に回すには、AIの活用が有効な選択肢になります。対面ロープレで応用力を鍛えつつ、基礎練習やフィードバックの標準化をAIに任せる組み合わせが、現時点で最も成果につながる運用方法です。

自社の営業組織に合ったロープレ設計とAI活用の具体策を検討したい方は、まずはコチームのサービス資料で詳細をご確認いただけます。


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