OKR運用でぶつかる3つの壁【OKR実施企業インタビュー】

メンバーが各事業の数字に責任を持っている状態を作るためにOKRをスタート

まず簡単に、MeroneさんにおけるOKRの概要をお伝えいただいてもよろしいですか?

弊社は現在、在宅物販スクール・託児店舗事業・スクールコミュニティとメインで3つの事業を展開しているのですが、それぞれの事業責任者をやってもらっている3名に対し、各々の事業に関してOKRを実施しています。

事業に関するOKRの具体的な形としては、まず各事業にO(=Objectives、最重要の定性目標)があって、そこから大項目のKR(Key Results、Objectivesの達成に向け必要な3~5つの定量目標)・それを分解した中項目のKR・さらにそれを分解した小項目のKRといった具合で3段階の粒度でKRを分ける、といったものです。

託児店舗事業を例に挙げると、①売上を上げる・②メンバーを育てる・③設備をよくするという大項目のKRがある中で、「①売上を上げる」だったら中項目に①-1「新規を〇人呼ばなくてはならない」①-2「単価を上げる」①-3「リピートの人数を増やす」とあって、SNSで集客をするという中でも新規の人を呼ぶ施策であれば①-1に入ってくるといった感じです。

それらを設定して、毎週の全体定例で「ムーンショットだったらこのくらいの数値」、「ベストケースだったらこのくらいの数値」、というように進捗確認を行うイメージですね。

OKRを実施し始めたのはいつ頃ですか?

昨年9月からで、Co:TEAM(コチーム)導入の少し前からですね。

OKRを始めたきっかけは何だったんですか?

2点ありまして、1つはメンバーの(在宅物販スクール事業の)講師業務において、誰がどのような目標を追っているのかが流動的であり、管理が難しかったという点ですね。

もう1つが、スクールコミュニティ事業など複数の事業が始まったタイミングで、事業に責任を持つメンバーにおいては数字に責任を持ってほしいという思いがあった点です。

これまではボードメンバーで目標からタスクに分解をしてそれを渡す流れがベースだったんですが、事業に責任を持ってもらうにあたって、「この目標を達成するためにどんな施策を打つべきなのか」という抽象的な部分を考えられるようになってほしかったんです。そこでボードメンバーからは各事業のOを渡して、各メンバーにKRを作ってもらう形から始めました。

元々前職などでOKRの運用はされていたんですか?

はい、前職では全員スプレッドシートで運営する文化があり、そこでうまくいっていたためMeroneでもその形式を引用しました。

前職時代に感じたOKRのメリットは?

2つあって、1つめは目線を合わせ続けられる、ということです。「この期間中にどこまで達成しなくてはいけないのか」あるいは「ここまで達成出来たら最高だよね」という目線のすり合わせをタームごとに行えていたことは大きかったと思います。

もう1つは、毎週運用する中で「今何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのか」を可視化することが楽だということですね。逆に進捗を見ないと気持ち悪いくらいになっていて、使い込むとそこまで浸透した実感がありました。

そこの成功体験があったためにMeroneさんでも運用を始めた、ということですかね?

はい、事業単位で任せられるほどに成熟してきたメンバーには事業単位でOを渡して、そこからKRを設定してもらい、施策の進捗を追うことができると判断して、去年からスタートした形ですね。

前職ではOKRに加えて1on1も同時に運用されてたんですか?

そうですね、どっちもやってました。

OKRをやるうえで1on1は必須といわれていますが、OKR運用と1on1は同時に行っていますか?

1on1を行ってはいますが、1on1とOKRが果たす機能はそれぞれ違うかなと思っていて、実際に弊社では異なる役割を担っています。

OKRはあくまで目標達成に向けて何がうまくいっているか・いっていないかの測定など定量的な部分の管理を担っていて、1on1はそこでカバーしきれない定性的な部分(定量的には100点・150点をとれていてもそれが本人にとって負荷になりすぎていないかの確認など)をカバーするものとして機能しています。

メンバーが目標を達成できない場合は1on1で達成の支援をしたりするんですか?

どちらかというとOKRの全体定例のときは目標に関する話の方が多く、(全く話さないわけではありませんが)1on1では基本的に定性的な会話になっているような気がします。

人事評価に関しての話に移らせていただきます。本来OKRにおける目標達成度は評価に結びつけないものとされていますが、Meroneさんでは評価との紐づけについてどのように運用されていますか?

そこは個人的な反省でもあるのですが、個人単位での目標も設計すべきだったなと思っています。

(在宅物販スクール事業の)講師業務も、別の事業運営もやっているメンバーに対して「講師業務に関してはこの目標を、事業に関してはこの目標を」とそれぞれ設計されているべきところを、それぞれが担当している事業の事に関しての設計にとどまっている状態なんです。

それぞれが担当する事業についてのOKRはうまくいっているんですが、(メンバーが抱える他の業務も含めた)実務に即して目標を追い切れているわけではない状態なので、次期はそのように設計していきたいと思っています。

OKRの運用によって経営陣とメンバーの認識が一致し、メンバーの視座が高まった

OKRを9月からやる中で、メンバーを巻き込む中で苦労した点はどのような点でしたか?

3つあって、1つめは概念の説明です。OKRとは何かということと、次にあるのがOに対してKRの設計はこれで良いのだろうか、ということですね。

2つめは、KRの設定の精度向上に時間がかかった点です。ボードメンバーの「Oに対してこのKRが出てきてほしい」という期待に対して、メンバーから出てくる「これを達成します」と掲げてもらったKRの解像度が粗く、Oの達成に対して現実的でないことがしばしばあり、そこは苦労しました。

3つめは、事業の方向性が変わった時の伝え方ですね。大項目のKRを3つほど設定してもらったにもかかわらず、その後事業の方向性が変わってKRが変わった際に「今までこのKRを追いかけていたけど、一旦やめます」とトップダウンで伝えるときに不満や違和感を感じさせないようにどう伝えつべきかという部分は難しいなと思いました。

OKRの概念の説明のお話がありましたが、どういう取り組みをされたんですか?

チームとしての目標達成をしつつ個人としての成長を管理できる手法としてOKRという取り組みがあって採用しようと思うんですがどうですか、という話をした記憶です。

現場の皆さんはどういう反応でしたか?

「やります!」と言った感じでポジティブな反応でした。

実際初めてみて、取り組み状況など現場からの反応はいかがでしたか?

実際、OKRに取り組んでもらった3名のメンバーの中で事業の方向性が変わって離脱してしまったメンバーもいるんですが、残りの2名は現状も頑張ってもらっています。

実際に取り組む中で、メンバーや清水さんご自身の中で感じられたOKRのメリットはどのようなものでしたか?

その事業の中で何を追い求めるのか、という共通の言語や共通の目線ができたところは良いと思ってます。

極端な話、設計さえちゃんとできていれば毎週の定例で「ここがうまくいっている・うまくいっていない」を確認するだけでOKなんですよね。

毎週の確認の中で全体に対して「うまくいっていないもの」の占める割合によって事業の状態がわかるので、マネジメントコストの低下にもつながっていると思います。

加えて、メンバーが事業を運営する中でどういう施策を実施するかを設計する力を伸ばすことにおいても有用だったと思っています。

具体的に「ここが変わった」と感じる点はありましたか?

シンプルに始まった事業として2/3が新規事業ということで、1つはめちゃくちゃうまくいっていて、もう1つはハードルがあってうまくいかなかった(※前述の「方向性を変え、トップダウンで伝えなくてはならなかった事業」に該当)もののOKRによって事業の難しさの検証を素早く行えたと思います。

役員陣が現場でやらなくてはならなかったことをメンバーに任せられたところは非常に良かったです。

現場の主体性も上がって、メンバーも自分の成長として感じてもらっているところは良いですね

ありがとうございます。会社全体でみると何か変化はありましたか?

OKRに限ったことじゃないかもしれませんが、他のメンバーにもいい影響が出ているかなと思います。

というのも、OKRをやっている=事業メンバーとして任せられるメンバーが増えたということでもあるので直接的な影響ではないかもですが、OKRをやっているメンバーが伸びる中で、他のメンバーも「自分にはどういうことができるんだろう」と考えるようになっていて、良い作用が働いていますね。

このようにそれぞれのメンバーが各々カバーしてくれることで、「講師」という肩書がめちゃくちゃ多様化してしまったので、別途そこは整理が必要だと思いますが。

OKRを機能させるには考え抜かれたミッション・ビジョン・バリューが必要。フィットのためにフットワークの軽い組織がベスト。

清水さんとしてはOKRは続けていきたいと思っていますか?

そうですね、加えてそれぞれ個人に目標を設定して運用していきたいと思っています。

一方で、私が様々な会社を支援させていただく中で、「そもそもムーンショット的な目標が立てられない・難しい」というケースもあるんですが、そのあたり運用してみてどうでしたか?

確かにハードルは感じますね。というのも、役員陣の思うムーンショットとメンバーが思うムーンショットの間で、数字の大小だけでなくそもそも尺度が違う可能性もあるので。

そこを解決するために、メンバーが決めてもらう全てのKRにコミットの数字はいくつ、ムーンショットの数字はいくつ、というのを毎週追いかけてもらうことで徐々に視座の違いを解消していってますね。

すごくうまくいってますよね。そのあたり、前職でもMeroneさんでもOKRがうまくいっている共通点ってありますかね?

ミッション・ビジョン・バリューがフィットしていて考え抜かれていることは大きいと思います。そこに対してボードメンバーがゆるぎない自信を持っていることも大きいと思いますね。

ミッション・ビジョン・バリューに対して共感性が高い状態だとOKRをやる中で異論が生まれにくく、定着しやすいんですかね?それ以外の部分とかありそうですか?

ミッション・ビジョン・バリューの内容によるかもしれませんが、(前職でもMeroneでも)「行動する」とか「素直」だったり「革新的に自分を成長させていきましょう」といった前向きな内容の言葉が入っているので、ムーンショットという概念にも違和感なく受け入れられているのかなと。

さらにチームのカルチャーとしてOKRのようなことをやりたい土壌があって、そこに惹かれているメンバーが多いので、今より高い精度でバリューを体現するツールとしてOKRを受け入れやすいのかなと思います。

最初はスプレッドシートでOKRを運営していた中で、Co;TEAMに切り替えていただきましたが、切り替えてもいいかなと思われた理由をお聞きしてもいいですか?

元々O:さんに評価制度の改定など人事周りでお世話になっていたので、土台の信頼があったことが大きかったと思います。そのようにご支援いただいている中でOKRだけ切り離すのではなく、OKRも含めて管理をしていった方がいいだろう、と考えたことが理由です。

スプレッドシートからの切り替えにおいて難しかった点はありましたか?

元々運用していたスプレッドシートではいくらでも仕様を変えることができるので、仕様に関しては少し戸惑うこともありました。ただ、私がゴネてコチームをアップデートしていただいたこともあり(笑)、見やすく・管理しやすくなっていきました。なので僕らにとっては特に今のところハードルは感じていないですね。

切り替えてからのメリットとしてはいかがでしたか?評価の連携の部分など

これから評価というタイミングなのですが、基本的にメンバーに対する「何話したんだっけ」というログや、「何を頑張ってきたんだっけ」という目標進捗に関する情報が集約されているので、後になればなるほど楽になるのかなと思っています。

コチームがマッチしそうな業界、あるいはこういう経営者・マネージャーはコチームがマッチするのではないかなどありますか?

スタートアップのシリーズAからシリーズBのような、文化が浸透しやすい業界や規模が合いやすいのかなと思います。

加えて、オンライン業界・ITのような普段のやり取りがZoomなどで成り立っているような業界は浸透しやすいのかなと思います。

文化が浸透しやすい業界・規模がコチームと合いやすいと思われたのはなぜですか?

単純にメンバーへの浸透の速さが大きく異なると思います。弊社であれば私が一番人事のことに明るくて、直接メンバーに話すことで浸透しますけど、50人とかいたらそこからもう一段階挟んでメンバーにいくので、なかなか自分が思っている1on1の形とそのマネージャーがやる1on1って精度が変わってくるのかなと思って。

とすると100人以下、50人くらいで始めるべきなんですかね。

そうですね、ミッション・ビジョン・バリューに関してもそうですけど、文化が固まりきっていないうちに導入した方がいいと思いますね。

では、経営の観点から改めてOKRを導入してみて「これは良くなった」というポイントを伺えますか。

個人の成長と組織が求める成長のすり合わせができて、マネージャー層から見ると「ここが進んでいるんだな」「ここは進んでいないんだな」というのがひと目でわかって確認コストが下がるのが一番かなと思います。

本日はありがとうございました。

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