S級マネジメント成果を出すチームをつくる
マネジメント・育成につながる情報をご紹介

営業日報(営業報告書)とは?新しい営業日報の書き方・運用設計のポイント【フォーマット付き】

55
営業日報(営業報告書)とは?新しい営業日報の書き方・運用設計のポイント【フォーマット付き】

新型コロナの影響により、私たちの生活や働き方など多くのことが変容を遂げています。営業活動もコロナ前と比べ大きく変化を遂げました。

リモートワーク(在宅ワーク)やWeb会議の導入など、お客様と直接接触する営業パーソンほど、今までの働き方からの変化を余儀なくされたのではないでしょうか。

そのような環境下で問題視されるのがコミュニケーションコストの増大です。

社内チャット等のコミュニケーションツールの利用と共に営業日報・営業報告書の必要性が昨今見直されています。

営業日報・営業報告書が本当に必要なのか、どのように運用すれば良いのか。

今まで営業日報・営業報告書を運用していた企業も、これから新規で営業日報・営業報告書を取り入れたい企業もアフターコロナにおける新しい営業日報・営業報告書のあるべき姿を今一度見直す良い機会なのではないでしょうか。

なお、日報以外も含めた営業マネジメント全般について知りたい方は、下記記事も合わせてご覧下さい。

営業マネジメントを支える5つの基本|目標達成から行動管理まで

営業日報とは

営業日報の定義

営業日報・営業報告書とは一般的に営業活動に関する活動報告をする文書であり、報告内容に関しては特に規定はありません。

日報の場合は1日の営業活動に関する活動報告となります。

形式としては、下記のポイントを押さえる事が重要です。

  • How long(どのくらいの時間で)
  • Who(誰が)
  • With whom(どの企業と)
  • What(何を話したか)

営業日報の目的

営業日報・営業報告書導入の目的は大きく2つに因数分解することができます。

「営業の成果をあげる」ことと「定性的な評価をする」ことです。

既存の営業日報・営業報告書では「営業の成果をあげる」ことのみを目的としているケースが多く見られます。

ですが、アフターコロナにおける導入目的としては「定性的な評価をする」という側面が強くなることでしょう。

失敗しない営業日報の書き方と内容

営業日報・営業報告書を導入することで必ず「営業の成果をあげる」ことができるのであれば、なぜ全ての企業で導入されていないのでしょうか。

それは、現場での運用設計の難しさに起因しています。

よくある導入失敗例ですが、以下に該当するケースは、成果が出る以前に運用自体が継続困難になります。

  • マネージャー側にしかメリットがない場合
  • 営業日報・営業報告書をマネージャーが確認をしていない場合
  • プレイヤーに重複した内容を書かせている場合

マネージャーの不安(例えばプレイヤーがしっかり仕事をしているのかわからないという不安や目標値に届くのかという不安)を解消するための営業日報・営業報告書である場合、上記の運用になっていることが多く失敗の原因となります。

失敗しないための必要な営業日報・営業報告書の内容のポイントですが、目的を達成できるかどうかを基準とすることです。

そのためには目的をさらに因数分解をしていく必要があります。

「営業の成果をあげる」ための内容

ポイントは2つあります。

1)マネージャーは営業日報・営業報告書から何を確認すべきか

営業の成果は最終的には成約数や成約額、成約率という数値で判断されます。

その過程である商談フェーズを進めることが営業の仕事です。

営業の成果が出ているかどうかを確認するためには遅行指標である成約に関わる数値を確認するのではなく、営業パーソンが順調に商談フェーズを進められているのかを確認する必要があります。

マネージャーはプレイヤーが商談フェーズを次に進められない要因が明確かどうか、取りうる対策が取れているか、何か支援が必要ないかを確認する必要があります。

また、全体に成果を上げたい場合は順調に商談フェーズを進められる要因から分析することも良いでしょう。

2)プレイヤーの営業日報・営業報告書におけるメリットは何か

プレイヤーが営業日報・営業報告書を作成する最大のメリットはPDCAのC(Check)→A(Action)→P(Plan)を行うことで、セルフマネジメントが行えることです。

このメリットをプレイヤー自身に理解してもらうことが運用の前提になります。

また各プレイヤーが提出した営業日報・営業報告書からメリットのある情報が共有できることが重要です。

例えば、市場の変化(お客様のニーズの変化や競合の戦略変更等)や営業の成果をあげることができた要因を共有できるとマネージャー対プレイヤーの1対n構造ではなくn対nのコミュニティ化をすることが可能となります。

お互いに有益な情報交換をするための場としての活用を目指すのがポイントです。

「定性的な評価をする」ための内容

営業パーソンは営業の最終的な数値(成約に関わる数値)で評価をされることが多く、 プロセスの評価や個人の成長に目を向けた評価がしにくいと言われています。

各プレイヤーに次の商談フェーズに進むための課題やそれに対する対策を営業日報・営業報告書に記載してもらうことでマネージャーはサポートがしやすくなるだけでなく各プレイヤーの変化に気付けるようになるでしょう。

また、各プレイヤーも自分の成果を受動的に評価してもらうことを待つのではなく、能動的に自分で自分をプロモーションしていくことも必要です。

半期や四半期の評価で自分がどのように変化したか、どんな工夫がどのような成果につながったかを全て覚えておくことは困難です。

したがって、日々の積み重ねとして記録に残しておきましょう。

営業日報の書き方・運用設計のポイント

では、具体的にどのようなポイントに気をつけて営業日報・営業報告書を運用していけば良いのでしょうか。

1)営業日報の作成時間を最小限にする

1日に必要な営業日報・営業報告書の作成工数を30分と仮定しましょう。

それを10分に削減できたとしたら、1チーム10名構成と仮定するとチームで1日で200分の削減に繋がります。

これを年単位に換算すると48000分=800時間の削減となります。1商談を1時間と仮定すると800商談分の時間を作ることができます。

単価が高ければ高いほどこの成果は大きく反映され、仮に単価が20万円で10%の成約率と低めに見積もっても1600万円分の時間を創出することになります。

Web会議が増えているとはいえ、外出する機会の多い営業パーソンにとってはPCに依存しない日報入力形式が望まれます。

また、別途ツールに記載している内容に関しては重複して記載することがない設計が求められます。

2)営業日報に対してマネージャーが反応をする

営業日報・営業報告書は一方的なものでは意味を持ちません。

報告されたものに対してマネージャーが反応をし、双方向のコミュニケーションを取ることでプレイヤーにとって初めて意味を持ちます。

これが継続の最大のポイントとなります。

また同時にマネージャー側でも双方向性にすることでコミュニケーションの難しさという課題に直面します。

相手の気質やその時の状況に応じてコミュニケーションをとる必要があるため、営業日報や営業報告書の提出時にその日の体調やモチベーションを簡単に共有するような仕組みを作っても良いかもしれません。

また、必ずしもマネージャーは毎日アドバイスをしなければならないわけではありません。

必要な時にアドバイスができれば、時にはプレイヤーに質問をしてみてもいいし体調に関してコメントすることもオススメです。

3)マネージャー自身が営業日報を提出する

マネージャー自身が提出する目的は大きく3つです。

  • 営業のマネージャーはプレイングマネージャーであるケースも多く、自分自身のPDCAを回すために1日に1回振り返る時間を持つこと
  • プレイヤーにどのような報告をしてほしいか、自分自身の営業日報・営業報告書で示すこと
  • マネージャーが提出することでチームの中で自然とルール化(強制力を発揮する)できること

営業日報のテンプレート(フォーマット)

一般的な営業日報のテンプレート(フォーマット)

営業日報   2020年◯月◯日(◯)
報告者氏名:◯◯

営業先企業名:◯◯
先方担当者:◯◯ 
商談目的:初回商談
商談結果:商談ログの記録がそのまま記載される
課題:
次アクション:

営業先企業名:◯◯
先方担当者:◯◯
商談目的:クロージング
商談結果:商談ログの記録がそのまま記載される
課題:
次アクション:

新しい営業日報のテンプレート(フォーマット)

営業日報   2020年◯月◯日(◯)
報告者氏名:◯◯

【状態】 体調:★★★★☆
モチベーション:★★☆☆☆

【本日の商談】
商談数:2
商談フェーズ進んだ数:1
失注した数:1

【商談結果・考察】
営業先企業:◯◯
商談フェーズ:商談フェーズA→B
商談内容:http://……..
要因:
次アクション:

営業先企業:◯◯
商談フェーズ:商談フェーズA→失注
商談内容:http://……..
要因:◯◯機能がないことで競合製品に決定
次アクション:◯◯機能ができた段階で掘り起こし

【チーム共有事項】
競合のプライス変更があった様子、どなたか詳細情報あれば共有ください。

【他部署への共有事項】
◯◯機能がないことで競合製品に決めたとのこと。

【困っていること】
商談フェーズBからCにに進めるために必要な資料の内容に自信がない。
【プロモーション】
状況質問しかできなかったが徐々に示唆質問ができるようになってきた。
それに伴い成約率が上がった。
◯◯さんが時間を割いて示唆質問のポイントを教えてくれた。

本記事の内容を踏まえた「新しい営業日報」は下記のポイントを押さえたものになります。

1点目は、コミュニケーションの取り方のヒントとなる体調やモチベーションを入れる項目がある事です。

そうする事によって、マネージャーとメンバー間のコミュニケーションコスト削減し、営業日報を効率的に運用する事が可能となります。

2点目は本日やったことをサマリー化する項目がある事です。

こちらも上記同様に営業日報の作成工数を削減し、運用の効率化に寄与しますが、SFAやCRMから機械的に出力出来るような仕組みがある場合は不要となります。

3点目は、営業フェーズの変化とそれに関する考え方をまとめる項目がある事です。

これはセルフマネジメント、定性評価は寄与します。

4点目は、詳細の商談ログは別途まとめているツール(SFAやエクセル等)のリンクを貼る運用になっている事です。

二重入力を防止し、作成工数を削減します。

最後に、チームメンバーや他チームのメンバー、マネージャーへの情報共有を重んじる考え方によって設計されています。

チームの情報共有を促進する事によって、「車輪の再発明」を防止し、生産性向上に寄与します。

営業日報の運用・設計方法のまとめ

  • 定性評価も視野に入れた営業日報・営業報告書を設計する
  • 営業日報・営業報告書自体の作成時間は最小限となる設計にすること
  • 導入目的に合わせた運用設計と報告内容にする
  • 前提としてプレイヤーがセルフマネジメントをするために営業日報・営業報告書が必要と理解してもらう
  • 一方向性の報告ではなく双方向性のコミュニケーションツールとして運用する