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オンボーディングとは?意味・OJTとの違い・プロセス設計の手順・ポイント【事例付き】

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オンボーディングとは?意味・OJTとの違い・プロセス設計の手順・ポイント【事例付き】

オンボーディングとは、新卒/中途社員の入社時が組織に馴染むための支援をし、適切な部署に配属し、戦力化するための一連のプロセスを意味します。

オンボーディングを行うことは新人育成だけにとどまらず、会社全体の生産性向上にもつながります。

さらに、昨今のリモートワークの浸透により、遠隔でオンボーディングを行うことも増えています。

ここでは、注目されつつあるオンボーディングの意味・具体的なプロセス、さらに施策・プログラム例をご紹介します。

オンボーディングとは

オンボーディングとは新規で会社に入社してくる社員に対して受け入れるために様々なサポートやプロセスを通して、会社と社員が互いに慣れて仕事をしやすくするためのプロセスを指します

そもそも、オンボーディング(on-boarding)は飛行機や船に乗っている状態のon-boardの派生語であり、これは新しいクルーや乗客に慣れてもらうためのプロセスを表していました。

一般的にビジネスシーンで使われるオンボーディングは、新卒/中途社員のジョイン時や新人マネージャーを適切な部署に配属し、その部署で戦力化するための一連のプロセスを意味します。

近年では、新人だけに研修を行い慣れさせて早期戦力化するだけでなく、受け入れ側も充実した態勢を整え、双方のアプローチで新旧メンバーの統合を目指すという考えが広まっています。

オンボーディングとOJTの違い

OJTはOn The Job Trainingの略であり、実際の業務を一緒に行いながら仕事のやり方を教え育成していく方法です。

OJTはオンボーディングと混同されがちですが、OJTはオンボーディングのたくさんあるプロセスの中の一つといえます。

OJTだけでなく、研修や1on1ミーティング、さらに歓迎会なども、新人を受け入れるためのプロセスは全てオンボーディングになります。

オンボーディングが注目される背景

近年オンボーディングに注目が集まっている背景として、早期離職率の増加が挙げられます。

せっかく採用した人材が早期に離職してしまっては、会社としても機会・コストの損失となります。

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さらに、最近では新型コロナウイルスの影響により、オンラインで研修を進める企業も増加しました。

オンラインでの研修は、新入社員にとって会社の雰囲気が掴みにくくなってしまいます

こういった背景から、一般的なオンボーディングでも、オンラインで行われるオンボーディングでも、どうすれば新入社員にいち早く会社に馴染んでもらえるのか、オンボーディングを再度見直し、設計し直す会社が増えているのです。

オンボーディングの目的・メリット

欧米の企業ではすでに多くの企業がこのオンボーディングを取り入れていますが、日本でもOJTという形で新人教育を行っている企業が多いのではないでしょうか。

オンボーディングは新人教育に止まらず、既存メンバーとのコラボレーションにより企業の生産性を高めることが目的となっています。

1. 新入社員の即戦力化

オンボーディングの最大のメリットは新入社員の即戦力化です。

新入社員の戦力化には約半年かかると言われています。

しかし、充実したオンボーディングを行うことで会社にとってすぐに働いてもらえる人材に育てていくことが可能です。

また、オンボーディングにより早期に即戦力化できることで企業側は業績の向上が期待でき新入社員側は早期に成功体験を得ることができます

これによって、社員の企業へのエンゲージメントの向上も期待されます。

2. 早期離職防止

オンボーディングは早期離職の防止に有効です。

一般的に入社後90日間のフォローアップがその後の定着率に影響すると言われており、オンボーディングではいかに初期に適切な対応ができるかがポイントとなります。

>>退職者1人あたりの損失は1,000万円以上?離職要因と離職防止のためのチェックリスト22はこちらから

早期離職を防止することで、企業は莫大な採用コストを削減することができます。

また、離職者の周囲のモチベーション低下防止にも繋がり、企業全体のエンゲージメント低下を防ぐことにもつながります。

3. 業務効率化

オンボーディングは会社・社員双方にとっての業務効率化に役立ちます。

オンボーディングで会社独自の価値観や業務体制を知ってもらうことは社員の働き方の標準化につながり、その後の業務もスムーズに進めることができるでしょう。

さらに、オンボーディングには、新規メンバーに会社に慣れてもらうだけではなく、新規メンバーに新しい文化や体制を作っていってもらうという側面もあります。

オンボーディングを通して、新規メンバーの成長を後押しするだけではなく、既存のメンバーが気づかない修正点を、新規メンバーの視点からのフィードバックで改善していくことができれば、会社にとってもオンボーディングはメリットのある場となるでしょう。

オンボーディングプロセス設計の手順

オンボーディングプロセスを設計する上で、どのような手順を踏めばいいのでしょうか?

  • 目的の設定
  • 制度や環境の整備
  • 具体的プランの作成
  • プランの実施
  • 振り返りと改善

ここではこの5つの手順を解説します。

1. 目的の設定

まずは、オンボーディングにおいて、なんのためにそのオンボーディングを行うのか、どんな人材に育てたいのかなどの、目的を事前に設定しておきましょう。

これが設定されていないと、社員に何を求めているのか会社側が一貫していない状態になってしまうため、新規の社員側も混乱してしまいます。

会社の求める価値観や風土を既存の社員に周知しておくことは、何を教えなくてはいけないのか社員が把握できるため、重要な手順なのです。

2. 制度や環境の整備

オンボーディングの設計を行う前に、会社の中の制度や環境を今一度整備しましょう。

チーム内の受け入れ環境や、利用するツールの見直しを行うことでオンボーディングがよりスムーズに進みます。

例えば、利用ツールの把握や会社の制度(1on1やメンター制度など)の確認をあらかじめ行っておきましょう。

社員が新しく入ってきた時のために制度のルールを再度整えておくだけでなく、分かりづらいツールなどを把握して簡単なマニュアルを用意しておくと、より働きやすい環境づくりにもつながります。

3. 具体的プランの作成

具体的なプランを作成しましょう。

新入社員に何を行うかだけでなく、タイムラインとそれまでに達成したい目標を設定すると良いでしょう。

期間を決めて具体的な目標に落とし込むことで、達成しやすい目標となるため、新入社員側のモチベーションを保つことができます。

例えば開始1週間後、1ヶ月後、半年後と大まかに期間を決めて、それぞれ社員に何を期待するのか、長期的な目標なのか、ある程度定めてそれに合わせてプランを設計することで、具体的かつ新入社員に寄り添ったプランを設計することができます。

4. プランの実施

プランをもとにオンボーディングを実施しましょう。

新規の社員は分からないことだらけのいわば社員初心者です。

プラン通りに進まない時も臨機応変に質問に答えてあげたり、進捗状況を確認したりできるようにしましょう。

また、プランを実施する上では、進捗の記録をつけるようにするのも有効です。

誰が引き継いでも、現在どの段階を行っているのかが分かり、この後の振り返りにも役立ちます。

5. 振り返りと改善

オンボーディング実施中、最も重要な手順は振り返りと改善です。

オンボーディングは、新規の社員に寄り添った内容であることが一番大事です。

オンボーディング終了時だけでなく、実施中にも、1on1やアンケートなどで不満や不明点を調査するようにしましょう。

そして、すぐに改善できそうな者は実施中でも改善するようにしましょう。

これを繰り返すことは、より社員に寄り添ったオンボーディングの実施につながります。

オンボーディングプロセス運用のポイント

ここまで、オンボーディングプロセス設計の手順について説明しました。

このプロセスを実際に運用する際に、どんなことに気をつければいいのでしょうか?

  • 入社前からコミュニケーションを取る
  • 人間関係を良好にする
  • 会社が求めるものを的確に伝える
  • 充実した教育体制を整える

ここではこの4つのポイントを解説していきます。

1. 入社前からコミュニケーションを取る

新規の社員と入社前からコミュニケーションの機会を作るようにしましょう。

例えば、入社前に社内チャットへあらかじめ招待しておいたり、人事とのコミュニケーションの場を設けたりすると良いでしょう。

会社に入る前から会社の雰囲気を知ってもらい、さらに人事と気軽に話せるようにすることで入社前に不安や疑問点をなるべく解消します。

これは早期の離職を防止することにもつながります。

2. 会社が求めるものを的確に伝える

社員の働き方に何を期待するのか、会社の理念はなんなのか、会社の求めるものを社員に的確に伝えるようにしましょう。

例えば、管理職や社長からの話を聞くセミナーやメンター制度などを実施すると、新入社員はより分かりやすく会社の理念や会社にとってのロールモデルを知ることができるでしょう。

こういった会社全体のビジョンや目標を、きちんと社員と擦り合わせることで、実際に働いてもらう時の齟齬が少なくなります

また、これが一致していると、新規の社員側も誰から教わっても同じことを教えてもらえるため、混乱が少なくなるでしょう。

3. 充実した教育体制を整える

新入社員に効率的にたくさんのことを吸収してもらえるように、さまざまな学びの機会を提供しましょう。

例えば業務を教える一般的な研修だけでなく、専門知識や社会人のマナーを教える場所など、様々な研修やミーティングを行うことで、新入社員になるべく疑問点をなくし即戦力となってもらえるようにしましょう。

オンボーディングの事例

オンボーディングを進めるにあたって、オンボーディングで人材定着に成功した他社の事例をぜひ参考にしましょう。

  1. 株式会社Voicy
  2. 株式会社Studist

本パートでは上記の企業におけるオンボーディングの事例を解説します。

1. 入社前オンボーディングの成功例:株式会社Voicy

オンボーディングの事例1つ目は、株式会社Voicyです。

株式会社Voicyでは、オンボーディングの効果により、離職率67%から9%まで減少させることに成功しました。

具体的な取り組みとしては、採用の入り口管理を強化する「エントリーマネジメント」です。

募集や、採用の段階から「募集する背景、具体的な仕事内容や給料、募集チームの概要、上長やチームメンバーの人柄」を詳しく記載します。

採用後は、入社前でもスラックに招待し、チームのやりとりを公表させるなどしてチームの雰囲気を伝えます。

そして入社前と入社後で計4回オンボーディングに関する評価をつけてもらい、評価が低かった場合には本人にヒアリングし、悩みを払拭しています。

これら一連の取り組みにより、入社前と入社後でミスマッチが起きにくくなり、大幅な離職防止につながったと言えるでしょう。

2. 入社後オンボーディングの成功例:株式会社スタディスト

オンボーディングの事例2つ目は、株式会社スタディストです。

株式会社Studistは、オンボーディングの取り組みを強化し、離職率を5%以下で維持させることに成功しています。

具体的な取り組みは、個人のwillと会社のmustを継続的にすり合わせることです。

採用サイトで発信を続け、採用時には「マッチングインタビュー」で候補者と会社のニーズの適合性を確認しています。

入社後は、「ポートフォリオ研修」や1on1を通して個人のwillと会社のニーズのすり合わせを行い続けています。

さらに、個人のwillが実現する仕組みとして、希望職種を体験できる「社内留学制度」を実施しています。

これら一連の取り組みで、個人のwillが実現することを重要視したことで、会社への定着率が上昇しました。

まとめ

オンボーディングは、新入社員が会社に慣れるためだけのものではなく、新入社員の加入により企業がより一層生産性を上げるための取り組みです。

オンボーディングを成功させるためにはある程度型化された資料やOff-JTと個人の特性に合わせたOJTや1on1支援が必要になります。

オンボーディングが成功できると新入社員の即戦力化だけでなく、早期離職の防止や業務改善に繋がります。

そのために必要な準備を人事担当者が現場と協力しながら整備していく必要があります。

準備が十分かどうか、チェックリストに沿って確認してみましょう。

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