新入社員のミスを減らすには?失敗例・原因・新人教育と仕組みづくりのポイント

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新入社員のミスを減らすには?失敗例・原因・新人教育と仕組みづくりのポイント

新入社員はなぜこんなにもミスが多いのか?と頭を悩ませている管理職や育成担当の方々は多いのではないでしょうか。

また、入ったばかりでミスしてしまう事は仕方ないと考える一方で、事前に報告・連絡・相談がなく、新入社員の失敗が減らない事に対して頭を悩ませるケースも少なくないでしょう。

本記事では、まず失敗例から原因を分析し、ミス防止のポイントや仕組みづくりまで解説していきます。

なお、新入社員の早期戦力化や定着において近年注目されているオンボーディングについては下記の記事をご覧ください。

新入社員時代にしてしまうミスとは?失敗例を先輩社員に聞いてみた!

新入社員はどのような事で多くミスをしてしまうのでしょうか?

筆者から直接先輩社員にインタビューをしたので、本パートでは失敗例を3つ紹介します。

誰にも心を開かず、仕事を楽しむこともできず、一人で勝手にストレスとモヤモヤと鬱憤をため、成長の機会を逃していることに気がつかずにフェードアウトしていくパターンが圧倒的に多かった。(30代 労務部 女性)
銀行出身で身だしなみに厳しい方であるという事前情報を得ていたにも関わらず、訪問当日が猛暑日だったため、上着を羽織らずに営業に向かってしまった。当然、ご立腹になられ、1時間の営業面談の予定が、みっちりマナー講習の時間になってしまった。身だしなみは重要だと感じた新卒営業マン1年目の思い出です。(30代 営業部 男性)
提案資料における広告商材の期待値(PV数)が1桁間違っていた。発注後、期待頂いていた成果から大きく乖離してしまい、上司と社長総出で、先方オフィスに謝罪に行く事になった。資料に記載する数字については、慎重すぎるくらいにチェックを行った方が良いという反省。(20代 企画部 男性)

総評

具体的な数字のミスもあればマナーのミス、精神的なものまで様々でしたが総じて言及できることは、「上司に相談しにくい環境だった」という前提があることです。

上司に相談できないからこそ、仕事を楽しめず、ストレスがたまり、最終的にフェードアウトしてしまうのです。

他にも、社会のマナーは管理職などの長年在籍している人にとって常識でも、新入社員にとって常識ではありません。

その認識のズレは管理職と新入社員がコミュニケーションを取ることですり合わせていくところです。しかし、「上司に相談しにくい環境」が前提にあると事例のような凡ミスを起こし、結果的に大きな損失を生み出してしまうことが考察できます。

新入社員のミス・失敗が多い原因とは?

新入社員のミスや失敗はなぜ起こってしまうのでしょうか?

前項のミスの具体例にも発生してしまった原因があるはずです。

  • 委縮して質問することを遠慮してしまう
  • 自分で工数の管理がしにくい
  • 「1日働く」ということへの疲労

本パートでは、新入社員のミス・失敗が多い原因を3つ解説します。

質問することを遠慮してしまう

新入社員のミス・失敗が多い原因の1つ目は質問を遠慮してしまうことにあります。

新入社員は、総じて「自分の力で解決する」ことに重く価値を置いています。

自分の力で解決することで成長し、社会的にも1人前と見られたいという欲求からその価値観が出来上がります。

入ったばかりで出来なくて当然、知らなくて当然という意識をもてないことから逆に質問したら「こんなこともわからないのか」と失望されるのではないか?という勘違いを生んでしまいます。

そして、結果的に自分の判断でミスを繰り返して本末転倒な結果になってしまうのです。

業務工数を正確に見積もれない

新入社員のミス・失敗が多い原因の2つ目は、自分で業務工数を正確に見積もれないということにあります。

新入社員は前提として仕事の全体像が見えません。どの作業にどれほど時間コストが必要なのかをわかりません。

さらに予定を調整する能力がある人も、新入社員全てに備わっているわけではありません。

その結果切り詰められた時間で仕事をしてしまい、ミスを犯してしまうのです。

また、適切な工数管理の方法については以下の記事にまとめているのでぜひご覧ください。

「1日働く」ということへの疲労

新入社員のミス・失敗が多い原因の3つ目は「1日働く」ということへの疲労にあります。

新入社員というのですから、以前は社会人ではなく学生などの社会経験がない職業であったはずです。

バイトを長時間やることはあっても平日毎日出勤して社会的に責任を持った仕事をする、といった経験を持った人は少数であるはずです。

そんな中、責任感と身体的疲労から慣れないうちは凡ミスをしてしまうこともあるのです。

新入社員のミスを防ぐ大事なポイントとは?

新入社員のミスを防ぐうえで大事なポイントとは何でしょうか。

新入社員がミス・失敗をしてしまう原因がわかったところで、ミスを防ぐポイントを押さえて確実に新入社員の成長を促進しましょう。

  • 振り返りをする時間を提供する
  • 5W1Hを意識した明確な指示を与える
  • 上司との適度なコミュニケーションを欠かさない
  • 新入社員それぞれの能力に見合った仕事分担をする

本パートでは、新入社員のミスを防ぐ大事なポイントを4つ解説します。

振り返りをする時間を提供する

新入社員のミスを防ぐ大事なポイントの1つ目は、振り返りをする時間を提供することです。

新入社員が最初のうちミスを多発してしまうことはある程度しょうがないことかもしれません。

ただし、同じミスをしないように指導することはとても大切なことです。

ではどのように指導すればいいのでしょうか?

一番最適な方法は思考を整理する時間をしっかりと取ってあげることです。

仕事中はいろいろなことに気を配らなくてはならず、ミスしたこともだんだん詳細には覚えておけなくなります。

よって、一定期間の反省をその時間にまとめてあげられれば、次から似たようなミスをする数は減少するでしょう。

5W1Hが明確な指示を与える

新入社員のミスを防ぐ大事なポイントの2つ目は、5W1Hが明確な指示を与えることです。

前述の通り新入社員は仕事の全体像が見えていません。

その状況で意図が明確でない指示を出してしまったら必ずミスをしてしまうでしょう。

伝えたい内容を5W1Hを使って構成すると、情報を整理できます。

  • When:いつ
  • Where:どこで
  • Who:だれが
  • What:何を
  • Why:なぜ
  • How:どのように

5W1Hを使うことで意図が明確になり、新入社員と上司との認識のズレはなくなり、ミスを防ぐことに繋がります。

部下との適度なコミュニケーションを欠かさない

新入社員のミスを防ぐ大事なポイントの3つ目は、新入社員と上司で適度なコミュニケーションを欠かさないことです。

上司に委縮してしまう原因は悩みや関心を共有できず、価値観がずれてしまうことが原因にもあります。

したがって、日常会話だけではなく意図的に時間を作って新入社員とコミュニケーションをとり、相談に乗ってあげましょう。

ポイントは定期的に行うことです。気が向いたときに実施するのでは、大きな悩みを抱えた大事なタイミングを逃してしまうかもしれません。

新入社員それぞれの能力に見合った仕事分担をする

新入社員のミスを防ぐ大事なポイントの4つ目は、新入社員それぞれの能力に見合った仕事分担をすることです。

新入社員の能力は人それぞれです。各個人の時間単価を無視し仕事を振っていたら、当然ミスは起きますし、失敗が続けば自信を無くしてしまうでしょう。

そこで、仕事の全体像が見えている上司が各個人の能力に合わせた仕事配分をすることが大切です。

そうは言っても、新入社員の能力は上司も把握しきれないかもしれません。

したがって、進捗を定期的に把握しておき、誰に負荷がかかりすぎているのかを監視して、仕事分担を修正していくことがポイントになります。

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新入社員のミスを防ぐ新人教育と仕組みづくりとは?

新入社員のミスを防ぐ新人教育と仕組みづくりとはどのようなものでしょうか?

  • 1on1ミーティングを実施する
  • 定期的に研修を行う
  • 日報を書いてもらう

本パートでは前述のポイントを踏まえて行うべき新人教育と仕組みづくりを3つ解説します。

1on1ミーティングを実施する

新入社員のミスを防ぐ仕組みづくり1つ目は、1on1ミーティングをすることです。

1on1ミーティングとは、人材育成を目的として上司と部下が1対1で行う面談のことです。

上述のようにミスを防ぐポイントとして、新入社員とは定期的にコミュニケーションをとることが大切です。

1対1で悩みや相談を聞くことで日ごろ集団では話しにくいセンシティブな話にも寄り添ってあげることができ、エンゲージメントの上昇や業務の悩みが解消されることによって生産性が上がることが期待されます。


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定期的に研修を行う

新入社員のミスを防ぐ仕組みづくり2つ目は、新入社員に対して定期的に研修を行うことです。

新入社員研修を行っている企業は多いですが、定期的に行っている企業がほとんどかと言われれば、そうでもないというのが実態です。

研修を行うメリットは企業の社風や理念、仕事の進め方や考え方などを社員に効果的に伝えることができることにあります。

それを踏まえて、会社や仕事の全体像がつかめていない新入社員に定期的に研修を行うことは仕事のへの理解を深めミスを減らすためにも大事であると言えます。

日報を書いてもらう

新入社員のミスを防ぐ仕組みづくりの3つ目は、日報を書くことです。

具体的には日々の業務のうまくいったことや改善点、次回からどうするかを基本として書いてもらい、上司からフィードバックをもらうまでが1セットです。

日報を書く目的は、自身で業務を振り返り、上司からもフィードバックを与えることで次回からの業務の生産性を上げることにあります。

新入社員のミスを減らすためには振り返りの時間を提供することが大事だと上述したように、日報を書くことはミスを防止するために最適な手段といえるでしょう。

効果的な日報の書き方については以下の記事でも解説していますのでぜひご覧ください。

まとめ

以上新入社員のミスの原因や防止するポイントや仕組みづくりについて解説しました。

社会人になりたてで会社という組織の全体像を知らない新入社員が自分でミスを0にするのは厳しいでしょう。

そこで、上司の方が「なぜミスばっかりしてしまうんだ」とイライラするのではなく、一度立ち止まって指導方法を再考することが大切です。

したがって、本稿で解説したポイントや仕組みづくりを使って適切なマネジメントを施し、新入社員の成長につなげてください。

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